2009-01-01から1年間の記事一覧

教室が810に戻りました

609教室が集中講義のため利用できません。また、参加者の数も絞り込まれましたので、当初の割り当て通り、今後は、810教室で授業を行います。よろしくお願いします。さて、今日は、前回の復習をしてから、p.1164の5行目まで、ゆっくり読んでみました。…

今日は、ランベールさんの文章の残り(p.131右側5行目からp.132ラストまで)を読みました。前半では、自身がなかなかのデッサン家でもあったヴァレリーがいわば内部から絵画制作の過程を考える視点を持っていたということ、そして、ドガという人間の神秘をめ…

今日は、p.110の11行目からp.113の最後まで、読みました。ほぼ4頁分ということで、予定通りの進度です。言葉がなければ幾何学はないという格言的命題から、話題は、言葉に関する考察へと移っていきます。p.111真ん中部分のソクラテスの台詞では、複雑な言葉…

開講しました(教室は609に変更しました)

フランス文学基礎講読の授業を始めました。扱うテクストは、ポール・ヴァレリーのエッセー『ドガ・ダンス・デッサン』(初版1936年、普及版1938年)です。ひとつひとつの単語の手触り(音、意味、イメージ、コノテーション)の理解、熟語や語法・構文の理解…

開講しました

今日は、ランベールさんによる解説文のうち、p.130左側の後半部からp.131右側の上から4行目まで、読みました。ヴァレリーは1900年に、ベルト・モリゾの姪に当たるジャニー・ゴビヤールという女性と結婚します。この結婚によって、ヴァレリーは、モリゾ=マネ…

開講しました

今日は、p.106の5行目からp.110の11行目まで、4頁と少し、読み進めることができました。いいペースです。ソクラテスとパイドロスの対話は、自然のオブジェと人間が作ったオブジェの対比のテーマから、幾何学的な形とそうでないものの区別の話へと進んでゆき…

後期授業開講日のご案内

皆さん、お久しぶりです。いよいよ後期が始まりました。全学教育のほうは改修工事のため11月始まりですが、学部や大学院の授業は通常通りの10月始まりです。来週は澤田先生のサルトルの集中講義が行われるので、文学部と文学研究科の私の授業は再来週からの…

今日は、p.106の上から4行目まで読みました。今日読んだところでは、音楽と建築という二つの芸術が、他の芸術(たとえば絵画)と比べ、現実のオブジェに従属しないという点で人工性が高いこと、つまり、ユーパリノスのいう「唯一芸術のみによる構築物」「あ…

今日は、筆記試験を実施しました。とりあえずは、お疲れ様。論のうちに多少なりとも都市との関連を記すという条件が足かせとなったか、扱う作品の幅を縮めてしまったかもしれません。多く取り上げられた作品を見ますと、コレットの『シェリ』が6名、ブルト…

今日は、前期の最終回でした。先週の続きで、「イタリアの芸術」のp.172の右側下まで読みました。終わりまで読むことはかないませんでしたが、ヴァレリーによる強烈な現代芸術批判が、見事なレトリックで展開されている山場の部分(p.172)だけはしっかり読…

今日は、前期最後の授業となりました。まず、先週実施した期末テストの答案を返却し、簡単に解説をした後、いくつかの歌について、ビデオクリップを眺めてみました。『ラ・マルセイエーズ』を歌うミレイユ・マチウの、強力に震え轟く〈r〉の響きが、とても印…

今日は、p. 103の一番下まで読みました。ユーパリノスの身体への祈りを聞き終えたソクラテスは、「歌う建物」についての独自の考察を展開します。音楽と建築は、人をその作品のうちに閉じ込める、とソクラテスはいいます。建築について、われわれは、建築家…

今日は、パトリック・モディアノの1997年の名作『ドラ・ブリュデール』(邦題『1941年。パリの尋ね人』白井成雄訳、作品社、1998年)を紹介しました。フランスは1940年6月22日の降伏から1944年8月25日のパリ解放までの約4年2ヶ月の間、ドイツの占領下にあり…

今日は、1935年の5月から7月にパリで開催された「イタリア芸術展―チマブーエからティエポロまで―」に寄せて、カタログの「序」として書かれたヴァレリーのエッセー「イタリアの芸術」をp.171の左側下まで読みました。激しい感情が満ち溢れたテクストです。ヴ…

今日は、予定通り、期末テストを実施しました。とりあえずは、お疲れ様。歌詞の一部の読み方を記し、日本語訳するという第1問、間違いを正す第2問、フランス語で答える第3問。このうち、テスト終了後、第2問について、解説をし、答え合わせをしました。間違…

今日は、ユーパリノスによる身体への祈りの部分を読み終えました。p.99の下のほうで、身体が宇宙に匹敵するものとされ、そこから、球体としての宇宙(世界)、その中心にある身体、そして、世界の外面しか見ない魂(精神)という三つの要素が出てきます。こ…

今日は、先週に続き、落穂ひろい的なお話で、ヴァレリーの1921年のエッセー「ヴェルレーヌの通過」をとりあげて、特に、リュクサンブール公園近くのカフェで、テーブルのうえのグラスに緑色の酒(アプサント)をなみなみとついで昼間から飲んでいるヴェルレ…

今日は、「パオロ・ヴェロネーゼのフレスコ画」の残りを読み終えました。フレスコ画に描かれた虚構世界のほうは、壮大なオペラの魅惑を発揮しているのに対して、そのように壮麗な装飾に囲まれて暮らす実際の生活は、少々シンプルに過ぎるコメディーでしかな…

今日は、先週実施した小テストを返却してから、第6課p.32の練習問題を片付け、第7課に入り、まずダニエル・ダリューの「ラストダンスは私に」を聞いてから、関係代名詞、疑問代名詞を説明し、p.36の練習問題も全部かたづけてしまいました。というわけで、来…

今日は、p. 99の18行目まで読みました。p.97から98にかけて、ユーパリノスの寓話(薔薇の蝋細工を砂に埋めて溶かし、その鋳型に青銅を流し込むと、薔薇のブロンズ像ができるというアレゴリー)についてのパイドロスの解釈――薔薇はあらゆる事物あるいは人生、…

今日は、アルベール・カミュの『転落』から、ポン・デ・ザールの「笑い声」と、それより2年前のポン・ロワイヤルの出来事を告白した部分を取り上げました。フローベールの『感情教育』におけるポン・ヌフ以来、久しぶりに、セーヌ川に架かる橋が重要な舞台…

今日は、「パオロ・ヴェロネーゼのフレスコ画」というテクストに入り、p.149右側の下から12行目まで読みました。ヴァレリーは、現代(1928年当時)の小規模な芸術と比べながら、16世紀ヴェネツィア派の巨匠の大規模な仕事を実現させた諸条件について、発注す…

今日は、予定通り、第4回の小テストを実施しました。平均点は6.9点、まあまあといったところです。数字の筆記は、しっかり書いて練習した人だけが覚えられます。覚えるか覚えないか、やるかやらないか、この積み重ねで学力に大きな差が生まれていきます。再…

今日は、p.97の16行目まで読みました。込み入った表現が多いところですが、ユーパリノスによる一種の天才論、一種の霊感論です。しかし、天才という単語も霊感という単語もけっして使われません。p.96の前半部分は、こんな人間がいたらすごいだろうなあ、と…

今日は、地図を眺めながら、ジャック・レダの『パリの廃墟』の一部を読んでみました。大きな物語も劇的な筋もありませんが、パリを歩いて思い描くあれやこれやの夢想と意見が、絶妙なユーモアとともに、淡々と記されていきます。パッシーから眺めおろすビル…

今日は、ランベールさんの紹介文を参考にしながら、ヴァレリーの若い頃の絵画体験を語るテクストをいくつか紹介してみました。ひとつは、1938年発表の「モンペリエ美術館」という短いエッセイです。様々な作家・作品のうち、「特別親しい付き合い」ができた…

今日は、前回の小テストの採点済み答案を返却し、簡単に解説したのち、第5課の続きを片付けました。国名と前置詞のところ、結局、enにしてもdeにしても、女性名詞の国名の場合は無冠詞ですね。それから、比較級と最上級を説明しました。形容詞と副詞の核が…

今日は、p.95の下から5行目まで読みました。ユーパリノスの言葉を紹介するパイドロスのこの長いセリフは、プレイヤッド版テクストで、およそ6ページ分にわたって続きます。どんどん先へ進みたいという気持ちもあるのですが、ここはやはり精読の姿勢を貫きま…

今日は土曜日なのですが、全学教育棟改修工事のための日程調整のため、火曜日の授業が行われました。予定通り、小テストを実施しました。avoirの活用と熟語の意味、「宿題を終える」finir ses devoirsの全人称単複、疑問副詞などの問答文完成で、出来はよく…

今日は、前回に引き続き、パトリック・モディアノです。小説『八月の日曜日』の一部を紹介しました。舞台はニースとパリ郊外マルヌ河岸です。マルヌ河岸で、主人公の「私」がヴィルクール夫人と話を交わすシーン、「ノワール」という単語が飛び交うところの…