今日は、ランベールさんの文章の残り(p.131右側5行目からp.132ラストまで)を読みました。前半では、自身がなかなかのデッサン家でもあったヴァレリーがいわば内部から絵画制作の過程を考える視点を持っていたということ、そして、ドガという人間の神秘をめぐってヴァレリーは多様な視点からシークエンスを重ねてその秘密に迫ろうとしたということが語られます。そして、後半では、ヴァレリーに特徴的なアプローチとして、《似ていること》ressemblanceを評価する姿勢、豊かな客観的現実性というものを評価する姿勢が紹介され、そうした態度は、イタリアの大芸術家についての文章や1939年のエッセー「似ていることと芸術と」において明らかであると述べられています。ヴァレリーの古典主義的芸術観を再確認する意味も込めて、来週は、このエッセーを読みましょう(原文と邦訳のプリントを配付しました。残部を私の研究室入口ポストに入れておきます)。そのあと、実際の人物交流について、まずルアール関係(アンリ・ルアールおよび息子たちとの交流をめぐる文章)、次にモリゾ=マネ関係(モリゾ、コロー、マネをめぐる文章)、最後にドガ関係の文章をあれこれ読んでいくつもりでおります。では、また来週。