2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は第7課の本文・練習問題すべて終えました。前半は1800年6月のマレンゴの戦い(かの有名な「アルプス越え」作戦)の英雄的な話(ドセー将軍の加勢がなかったら危なかったのですね)、後半は2007年6月、マレンゴの戦いでナポレオンが使ったというサーベル…

今日はセリーヌ『夜の果ての旅』の続きです。「郊外」がどのように表象されているか、いくつか具体例を挙げて、先週に続いて大雑把なパリ郊外の地図(特に北西部のセーヌ河が大きくカーヴしているあたり)を参照しながら読んでみました。ランシイという地名…

今日は「室内」を読みました。アレクサンドラン8行の短詩ですが、密度は濃く、考えなければならないところの多い精妙な詩です(ヴァレリーの詩は他もだいたい「濃い」ですけれども)。女奴隷が鏡に入って以降のヴィジョンについては、具体的な動作をイメージ…

今日は「二重の部屋」の続きです。まず、ひととおり最後までテクストを読んでから、続いて、全体の構成について、日本のボードレール研究者山田兼士さんの『ボードレール《パリの憂愁》論』(砂子屋書房、1991年)から「二重の部屋」を論じた部分(同書pp.17…

今日は第6課のテクスト・練習問題すべて終えました。特に難しい部分はなかったので、早めに終えて、残り時間は、昨日の『ル・モンド』電子版から、フランスのタバコ会社アルタディスのリストラをめぐる記事(談話部分)を取り上げ、辞書を使って10分間で訳す…

今日はルイ=フェルディナン・セリーヌの長編小説『夜の果ての旅』(生田耕作訳・中公文庫上下二巻)の前半部分から、傷病兵を収容するイッシー・レ・ムーリノーの病院の描写、エロット夫人の店の紹介部分、とりわけ、金持ちが集中するパリの「上等の一切れ…

今日は「失われた酒」に関するローラーの注釈を読み進めました。ヴァレリーの「カイエ」を参照した部分までは踏み込まずに、各詩節のコマンテールを丁寧に読みました。ローラーさんは最後のフィギュールを「神々」の到来と取っているようです。このあたりは…

今日は第5番「二重の部屋」のテクストを75行目まで読みました。来週は残りの部分を読んでから、このテクストについての具体的な議論の例を紹介してみたいと思います。それにしても、前半のパラダイス的な部屋と後半の地獄のような部屋との対比が際立っていま…

今日は第4課の練習問題をかたづけてから、第5課に入り、本文の解釈、練習問題ともすべて終えました。p.18の真ん中あたり、指示代名詞のcelles(直前のfillesの代わりです)とか関係代名詞のquiとか、il est 〜 de+inf.の構文とか、大丈夫ですね。それからp.1…

今日は『ナジャ』のつづきです。1926年10月6日の夜、ドーフィーヌ広場の散歩の場面を、地図を参考にしながら、ゆっくりとたどってみました。過去現在未来を、そして、地上と地下を見とおすvoyanteとしてのナジャの不思議なホラーの世界。visionの眩暈を仕切…

今日はスティーヴ・マーフィの『駄目なガラス屋』論(70ページもある!)からごくごく一部を紹介しました。ウーセイの『ガラス屋の歌』のなかに出てくるひとつの単語「資本capital」に注目して、ウーセイの「私」がブルジョワ的功利主義、進歩主義的・自由主…

今日はまず先週実施した中間テストの答案コピーを返却して、ざっと解説しました。問題そのものが易しかったので、全般に上出来でした。しかし、期末テストの実力問題はもう少し手ごわい本格的な記事を出しますので、覚悟を決めて、今から、構文把握力、総合…

今週と来週はアンドレ・ブルトンの『ナジャ』を読みます。今日は、まず、第一部のはじめのところ、「私の生活」の定義をいろいろな言い方で述べている部分をやや詳しく紹介したあと、第一部のおわりのところ、ルイ・アラゴンが指差したホテルの看板の「赤いR…

今日は「失われた酒」Le Vin perduのテクストをひととおりゆっくり読んでみました。大海にワインを、虚無への捧げものとして注ぐ。なぜそんなことをしたのかはわからない。薔薇色の煙のあと、海は元通り透明に。しかし!(ここで奇跡が起こる)ワインは失わ…

今日はアルセーヌ・ウーセイの『ガラス屋の歌』のテクストを読みました。ボードレールの『駄目なガラス屋』の影にあるアンテルテクストです。腹が減って死にそうなガラス売りを居酒屋に連れて行って一杯をおごるわけですが、考えてみれば、レストランに連れ…