〇〇と〇〇
パラレルシュテレンメトーデ(比較断章法)の実践練習に入りました。まず私のほうから「ヴァレリーとデカルト」という比較断章法を使ったコメント例を紹介しました。共通する表現やテーゼが同じであればあるほど、説得度が増すことは言うまでもありません。類似性の指摘に立って、何を言うかは論者次第です。自分が言いたいこと、主張の論点を明確にするために比較という手続きがあると考えましょう。後半は受講生の皆さんに、実践例をそれぞれ紹介していただきました。まだお二人分しかできませんでしたが、いずれもすでに本格的な論述に入っていると思われる質の高い比較断章法の実践例で、感服しました。〇〇と〇〇という、二つ並べる研究は組み合わせが無数にあります。たとえば、ヴァレリーとその時代、ヴァレリーと世紀末文芸誌、ヴァレリーと映画・演劇・表象芸術、ヴァレリーとレオナルド・ダ・ヴィンチ、ヴァレリーとドガ、ヴァレリーとデカルト、等々。この授業もすでに9回を終えました。残りはあと4回ほどです。来週も引き続き比較断章法による解釈・論述実践例を紹介していただきながら、前期の残りの回で、「問題設定」の仕方について、可能な限り技術的に捉えなおしてみたいと思っております。