開講しました(教室は609に変更しました)

 フランス文学基礎講読の授業を始めました。扱うテクストは、ポール・ヴァレリーのエッセー『ドガ・ダンス・デッサン』(初版1936年、普及版1938年)です。ひとつひとつの単語の手触り(音、意味、イメージ、コノテーション)の理解、熟語や語法・構文の理解、出来れば文体特徴の把握まで、テクストの豊かさを着実に味わいつつ、読み進めていく予定です。評価方法は予習出席訳読が百%です。一字一句ゆるがせにせずに読み込む経験を積みながら、フランス文学のテクストの豊かさに触れていただければ、と願っています。今日は、プレイヤード版テクストのコピーを配付し、肩慣らしの意味も込めて、最初の20行ほどを熟読してみました。まずは、ひとつひとつの単語の意味の確認、文の骨(主語と述語、名詞と動詞、補語など)の見極め、構文の理解、接続法のニュアンスの理解などに注意しつつ、文体的な特徴など(形容語句の列挙が高揚のリズムを伝えている!)にも言及してみました。まだまだフランス語の文章に慣れていないという方々のために、構文の分類と解説に主眼を置いた参考書として、伊吹武彦編『フランス語解釈法』(白水社、初版1957年、復刊2006年)を推します(古いですが、構文把握力の養成に役立つ名著です)。なお、今回欠席された方々のために、テクストコピーを数部、私の研究室(822)入口ポストに入れておきます。今日はイントロダクションでしたが、来週から、精読しつつ先を急ぎますので、予習を(とりあえずp.1167の1行分の空白の前まで)よろしくお願いします。では、また来週。