今日は、p. 103の一番下まで読みました。ユーパリノスの身体への祈りを聞き終えたソクラテスは、「歌う建物」についての独自の考察を展開します。音楽と建築は、人をその作品のうちに閉じ込める、とソクラテスはいいます。建築について、われわれは、建築家が選んだ均衡のうちに捉えられ、音楽についても、われわれは絶えず変化する存在、「音楽という全体的な存在の奴隷」となって、それがもたらす圧倒的な効果にゆだねられる。つまり、人は、二つの芸術によって、二つの仕方で包まれる――石というマチエールまたは旋律というマチエールに表現された内的な法則と意志によって包まれるのだ、と、ソクラテスはいいます。これからしばらく、他の芸術との対比において、建築と音楽の類似性・共通性が話題となります。ソクラテスの話の内容はけっして簡単ではありませんが、論理は明快(のはず)です。来週で前期最終回となります。もう夏休み気分ですが、あと一回です。p.107の真ん中ほど(「幾何学的図形」と「そうでない図形」をどう区別するのかという問題提起の部分)まで、予習をよろしく。では、また来週。