開講しました

 今日は、p.106の5行目からp.110の11行目まで、4頁と少し、読み進めることができました。いいペースです。ソクラテスパイドロスの対話は、自然のオブジェと人間が作ったオブジェの対比のテーマから、幾何学的な形とそうでないものの区別の話へと進んでゆきます。壁に適当に描いた線と、モデルをなぞって描いた線、さらに、短い言葉で明確に定義された命題に従って描いた線、三種類の形が、ソクラテスの教育的な配慮によって、段階的に説明されます。最後で示される例はシンプルですが、まさに幾何学的図形の定義の力強い一例です――二本の樹木から常に等距離を保って歩きなさい、という命題は、直線という幾何学的形象の定義(二点から等距離の点の集合)に他なりません。次回は、そうした幾何学性が言葉によって保証されるということを中心に、言語・ロゴスが対話の主要テーマとなります。とりあえず、p.115の最後くらいまで予習をしておいてください。では、また、来週。