今日は、p.95の下から5行目まで読みました。ユーパリノスの言葉を紹介するパイドロスのこの長いセリフは、プレイヤッド版テクストで、およそ6ページ分にわたって続きます。どんどん先へ進みたいという気持ちもあるのですが、ここはやはり精読の姿勢を貫きましょう。先週読んだ商取引所に続いて、「語る」建物の具体例として挙げられるのが牢獄であり、ソクラテスのチャチャが入った後は、特に印象的な建造物として、埠頭・堤防・灯台などの施設を含めた大構築物としての「港」が語られます。しかし、ユーパリノスは、そうした半自然的な構築物(自然の力を借りている建物)よりも、芸術単独による建物を上に置こうとします。自然のもたらす直接的な魅力から離れて、自然の力を借りずに、芸術家ひとりの力による作品を、苦しい努力を払って作り上げなければならない。そのようにして作られた作品こそは、ある時、歌うことがあるのだ、といいます。このあと、ユーパリノスによる芸術制作論が滔々と述べられていきます。難解ですが、勢いがあります。これが前半の山場となります。予習をどうぞよろしく。