2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は、フローベール『感情教育』の続きです。石井洋二郎先生の文章の続きを紹介し、古くから安定して存在するポン・ヌフ橋の希望のイメージに対して、不安定な歴史をたどったコンコルド橋の不安のイメージもまた、フレデリックの心象風景の重要なトポスに…

今日は、「セミラミスの歌」の残りを読み終え、間髪をいれず、最後の詩「詩の愛好家」(これは『旧詩帖』のなかで唯一の散文詩です)に入り、第三段落の終わりまで、読みました。思考をきわめて一般的に表象し、そのかりそめに流れていく姿に明確な形を与え…

今日は、前回(11月28日)の続きで、フローベールの『感情教育』のお話です。文章の魅力、なかでも、「吸い込む」「とろける」といった感覚的な表現の豊かさ、自由間接話法の自在な活用の効果(語り手の視点と登場人物の視点の双方をいいとこどりした叙…

今日は、「序説」第二段落の終わり(p. 1156の2行目)まで、読みました。「われわれ(nous)」を語りの人称として用いて一般的な地平を述べた第一段落からは一転、今度は、「わたし(je)」を語りの人称として、「ある人間」を想像する試みが始まります。本…

今日は、「セミラミスの歌」の第15詩節から第24詩節まで、読みました。バビロンの女王セミラミスが、塔の高みから都市を眺めおろし、新たな神殿の建設が進む街の活気に満足し、民衆への嫌悪と愛情の混交、民衆の蜂起の可能性に対する鎮圧力の自負、恋愛の奴…