2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は、スタンダールの『赤と黒』から、印象深い三つのシーンを選んで、原文の表現も味わいつつ、紹介してみました。前回読んだ『アドルフ』とはまた違った意味で、時代の鬱屈というものが、スーパーヒーロー・ジュリヤンのロマン主義的大活躍によって、か…

今日は、p.1266の14行目まで、読みました。哲学者は自分の思考をなんとかして言葉に固定しようと努力するが、言葉はその努力に応えることがない……。古来、すぐれた哲学者たちによって、さまざまな語が創造されてきたが、それらは文脈で決まる暗号だ、とヴァ…

今日は、「夕べの豪奢」のラスト部分を読み終え、間髪をいれずに、次の詩篇「アンヌ」の読みに入りました。今日は、ホワイティングさんの注釈本に紹介されている、1900年12月1日号「ラ・プリュム」誌掲載のヴァージョン(全部で六詩節)に目を通してみました…

今日は、バンジャマン・コンスタンの『アドルフ』を紹介し、第3章を全部、読んでみました。日本語訳のほか、Gallicaで入手した1816年の初版のテクストも、参考までに紹介しました。小説が始まって間もない第3章で、アドルフのエレノールへの恋愛は精神的にも…

今日は、私の担当の最終回、「ヴァレリーとドガ」についてお話しました。理論的な話から、ほろりとさせる話まで、ヴァレリーの「ドガ ダンス デッサン」はヴァラエティに富んだエッセイ集です。私からのレポート課題は「文章作家と美術の関わり」についてで…

今日は、ヴァレリーの「レオナルドと哲学者たち」の続きで、p. 1264の8行目まで、読みました。一般には、たしかに、言語なしに思考はできないとされるが、しかし、さらに仔細に見れば、言語ではとらえきれない思考があることに気づく、とヴァレリーは言いま…

今日は、「夕べの豪奢」の最終節の6行目(全体の85行目)まで、読みました。第10詩節で想像力の伸びやかな飛翔がピークに達したあとは、日没を迎え、闇となり、目に映る美しいイメージたちとの別れを経て、ついには「もはや見えなく」なります。闇がひたひた…

今日は、ロマン主義演劇のマニフェストとして名高い、ユゴーの『エルナニ』の冒頭部(第一幕第一場)をじっくりと読み、古典主義の作劇法や詩法にどのように違反しているのか、ということを確認しました。この冒頭部は喜劇的な要素が多く、今読んでも十分に…

今日は、「フランス文学と美術」3回シリーズの第二回目です。「ヴァレリーにおける絵画のトポス」と題して、詩人ヴァレリーの生涯において絵画との濃い付き合いが展開された場所を三つ――モンペリエのファーブル美術館、パリのアンリ・ルアール邸、ベルト・モ…

今日は、p.1263の1行目まで、読みました。p.1262の後半では、言語なしでは思考できないという考え方が繰り返し展開されていましたが、以下、ヴァレリーはもう一歩つっこんで、思考が慣習的な言語では捉えられなくなる瞬間をめぐって、考察を深めていきます。…

今日は、「夕べの豪奢」の第9詩節の終わり(45行目)まで、読みました。ヴァレリーは特にアリテラシオン(畳韻)を好む詩人であるというワルゼールの文章を紹介しました(『ヴァレリーの詩』110-111頁)。そして、全体の構成については、ホワイティングの指…

今日は、前回のルソーに続いて、いわゆる前ロマン主義的な詩の例としてドリール師とアンドレ・シェニエの詩を紹介し、そこに古典主義からロマン主義への移行期の徴を読み取ったのち、一気に、1820年の代表的ロマン主義詩篇、ラマルチーヌの「みずうみ」をゆ…

今日は、フランス文学と美術というテーマによる三回シリーズの第一回です。「ポール・ヴァレリーとレオナルド・ダ・ヴィンチ」という題で、お話させていただきました。ダ・ヴィンチからヴァレリーへの一方通行のいわゆる「影響」の話になりましたが、文章作…

今日は、p.1261の上から4行目まで、読みました。ヴァレリーのテクストの書き方、というか、一般に、フランスの作家のテクストの書き方には、一定の基本的な作法のようなもの(基本的な作文テクニックというか作文レトリックのようなもの)があって、シンメト…

今日は、ややゆったりめに前回の復習をしたのち、第6詩節(セクションでいうと第3章)を、読みました。結局、son regardのsonやil adoreのilは、「太陽=神」と採っても、「不動の人間=私」と採っても、どちらでも解釈可能であることがわかりました。という…

開講しました!

本日、開講しました。最初に授業内容、成績評価の方法を説明したのち、さっそく授業に入りました。今回は、「私」の「時間」が濃密に描かれる現代的な文学の始まりとしてジャン=ジャック・ルソーの自伝『告白』と『孤独な散歩者の夢想』から、ヴァラン夫人…

開講しました!

本日、開講しました。前期に引き続き、今期もヴァレリーの「レオナルドと哲学者たち」を読んでいきます。今日は、p.1259の一番下まで、読みました。レオナルドにとって絵画こそが哲学であったというくだりです。夏休み中に少しだけパリの国立図書館に寄って…

開講しました!

本日、開講しました。授業内容、評価の方法などを確認してから、さっそくテキストコピーを配りました。詩人ポール・ヴァレリー(1871〜1945)の若い頃の詩を集めた詩集「旧詩帖」を読んでいます。今学期はラスト近くの長めの詩篇「夕暮れの豪奢」「アンヌ」…