今日は、前回に引き続き、パトリック・モディアノです。小説『八月の日曜日』の一部を紹介しました。舞台はニースとパリ郊外マルヌ河岸です。マルヌ河岸で、主人公の「私」がヴィルクール夫人と話を交わすシーン、「ノワール」という単語が飛び交うところの一種のユーモアを味わっていただきたいと思います。訳者解説で堀江敏幸さんが指摘されている参照のひとつ、マルヌ河岸小説、ラディゲの『肉体の悪魔』、長くないので、是非、余裕のある方は読んでみてください。
 それから、ぼちぼち、7月22日の筆記試験の準備を始めていただければ幸いです。課題は、「フランス文学の作品について、関心のあるテーマを設定し、1600字程度で論じなさい。なお、論じる際には、都市との関係に多少なりとも触れること。」とします。当たり前ですが、取り扱う作品を読んでいることを前提とします。では、また。