2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は、セリーヌの『夜の果てへの旅』(1932年)の続きです。郊外の現実をハードボイルドに描いた部分は、現代のいわゆる「郊外問題」と構造が同じです。堀江敏幸さんのエッセイを紹介しながら、セリーヌにおける郊外のテーマを考えてみました。それから、…

今日は、プレイヤード版p.1182の下から14行目まで、読みました。構築という意識的な行為の豊かさを知るためには、想像力の様々な経験、知的・感情的な様々な経験が不可欠であることを、ヴァレリーは得意の攻撃的列挙の文体を使って、強調していました。「序…

今日は、まず先週の小テストの答案を返却しました。平均は7割ほどです。今回さぼった方々は、次回以降、満点を目指して、さぼった自分自身にリベンジしてください。期待しています。それから、今日の授業のあと開催される国立応用科学院リヨン校の留学説明会…

今日は、「歩み」のワルゼールによるコメントの残りをざっと読んでから、最後に、「帯」に入り、最初のところだけ目を通しました。ボードレールの「夕暮れのハーモニー」と似た世界です。モネスティエによれば、この詩のイメージや響きは、ボードレールの詩…

今日は、ルイ=フェルディナン・セリーヌの自伝的小説『夜の果てへの旅』から、パリ郊外をテーマにお話しました。また、日本語訳では伝わりにくい、原文の持つ味わいを、少しだけ紹介しました。一人語りのもつ、独特のリズムや、親しみやすい俗語の多用、そ…

今日は、ヴァレリーの「レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説」で展開されている想像力論とも関係深い、言語表現の問題について、明日開催予定のベネディクト・ゴリヨ先生の講演の議論(あらかじめいただいたテクスト)を紹介しながら、フランスの現代詩人たち…

今日は、予定通り、小テストを15分で実施し、その後、解説をしました。ざっと見たところ、出来はまあまあのようです。その後、「クリック・ル・フランセ」の10課で比較級と最上級の練習を少しやり、教科書48頁のディアローグをDVDで見ながら、訳してもら…

今日は、ワルゼールの本の265頁に紹介されている、ヴァレリーの講演の一節を、丁寧に読んでみました。ここには、詩が誕生する瞬間の、形式と内容が未分化の状態が描かれています。形式と内容がまだ分離せず、一体化している状態は、たとえば、フランスの複数…

今日は、先週に続いてブルトンの『ナジャ』と『シュルレアリスム宣言』を、ゆっくり読んでみました。『宣言』のなかで称揚されている「不可思議なものle merveilleux」が、『ナジャ』で、実際に、ルポルタージュとして語られていると言えます。想像力の自由…

今日は、プレイヤード版p.1181の16行目まで、読みました。現代人の専門性とレオナルド的精神の普遍性を対比的に論じた部分です。専門性を長く続いた感覚のマヒ状態に譬えるところには、ヴァレリー自身による専門性への強い批判が感じ取れます。このあと、テ…

今日は、DVDを見ながら教科書17課のディアローグを訳し、指示代名詞を中心に文法事項の説明をしました。関係代名詞を復習してから、宿題となっていた45頁の練習問題1番と2番を片づけました。その後、関係代名詞で二つの文をつなぐ問題をクリック・ル・フ…

今日は、「歩み」についてのワルゼールの解説に入り、p.265の引用文の前6行目(circuler en lui)まで、読みました。解説や論文を読むのは、それなりに訓練が必要です。論の流れを追いつつ、節目節目で論の構成、主張のポイントを確認する癖をつけましょう。…

今日は、アンドレ・ブルトンの『ナジャ』の導入の部分と、最初の出会いの一部を読みました。邦訳69頁で述べられている労働批判の考え方は、じつに興味深いものがあります。しかし、そのような批判に共感はできても、「いまわしい生活上の義務から労働を強い…

今日は、p.1179の下から3行目まで、読みました。人体や顔に対するレオナルド的精神の注意深い観察を語る口ぶりは、やはり、詩的エクフラシスのそれです。特に、プラタナスの木を人体との関連で描き出すシーンの上昇と下降の勢いの感覚、そして、人間の顔とい…

今日は、まずクリック・ル・フランセの15課の2番で、複合過去と半過去の使い分けの練習をこなしたあと、教科書p.42のディアローグを検討してみました。「直接目的語が前に出た場合に過去分詞は性数一致を起こす」という現象と、過去のある時点より前に完了し…

今日は、「歩み」を、ひととおり読んでみました。2行目の「サントマン、ラントマン、プラセ」というところは一歩一歩進んでくる「歩み」の擬態、つまり模倣的諧調でしょう。接吻の実現よりもむしろ、それに至るプロセス(待機)の幸福を描いた詩、日常のなか…