今日は、p.110の11行目からp.113の最後まで、読みました。ほぼ4頁分ということで、予定通りの進度です。言葉がなければ幾何学はないという格言的命題から、話題は、言葉に関する考察へと移っていきます。p.111真ん中部分のソクラテスの台詞では、複雑な言葉からシンプルな言葉へ、思考が進んでいく様子が描かれています。p.112では、構築者としての言葉が、通常言語、詩的言語、そして、数学言語(数値)の三つに分類され、通常言語にはぐちゃっとした(醜い)人間の顔、詩的言語には優美で高貴な人間の顔、そして、数学言語には、古代エジプトの神像のような(たとえばスフィンクスのような)敏捷な動物のイメージが割り振られていきます。ソクラテスは、最もシンプルな言葉である数値こそは計算に最適な言語である、といい、また、複雑な言葉を彫琢するのが「詩人」である、といいます。パイドロスが伝えた建築家ユーパリノスの言葉に刺激されたソクラテスは、言葉を構築者と捉えて、そうした思考を展開しているわけです。このあと、作品のなかでも最も美しい台詞のひとつが語られますが、それは、来週、味わうことにいたしましょう。次回は、p.118の5行目まで進む予定です。予習をよろしく。