開講しました

 今日は、ランベールさんによる解説文のうち、p.130左側の後半部からp.131右側の上から4行目まで、読みました。ヴァレリーは1900年に、ベルト・モリゾの姪に当たるジャニー・ゴビヤールという女性と結婚します。この結婚によって、ヴァレリーは、モリゾ=マネという印象派の画家一族と姻戚関係に入る一方、美術品コレクターのアンリ・ルアールおよびその息子たちとの付き合いからドガとの交友関係に入ります。そのあたり、人間関係がやや錯綜するので、村松剛さんの『評伝ポール・ヴァレリー』(1968年、筑摩書房)p.256の系図をたよりに、説明してみました。身近に実際の画家たちとその絵画が存在する社交空間に入ったヴァレリーは、その後、そうした付き合いから、美術関係の文章を、折に触れて書いてゆくことになります。後期は、ヴァレリーによる所縁の画家たちの肖像テクストを少しずつ読んでいきます。ヴィルジュスト街の家の様子、そこに集められていた絵画などについて少し復習してから、ベルト・モリゾ、コロー、マネをめぐる文章、ルアール家をめぐる文章、そして、ドガをめぐる文章を紹介してゆきたいと思います。とりあえず、来週は、ランベールさんのテクストの残りを片付けます。予習を、よろしくお願いします。