2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は、ボードレールの『パリの憂鬱』の「ビストゥリ嬢」のつづきで、p.218の1行目le temps!まで、読みました。感嘆を表すcomme〜!(なんと〜であることか!)の用例がいくつか出てきました。辞書で用例を確認する癖をつけて、表現に慣れましょう。来週、…

今日は、p.1252の下から10行目のmentale.まで、読みました。レオナルドは単なる知では満足しません。あらゆる物質を用いて、知(アイデア)を、実際の形にしようとします。物質と知との緊密なやりとりを描いたp.1252の真ん中部分の記述は、対話篇「ユーパリ…

今日は、「ヴァルヴァン」を、読みました。マラルメと関連する語彙が散りばめられ、まさにマラルメへの心からのオマージュに満ちた美しい佳品です。フォンテーヌブローの森の風、セーヌ川の水面に映る緑、そして光輝く夏空の青。川面を静かに進む小舟にのっ…

今日は、ボードレールの『パリの憂鬱』から、「綱」の残りを読み終え、続いて、47番「マドモワゼル・ビストゥリ」の読みに入り、p.216の19行目まで、読みました。冒頭部分の、感じた、聞こえた、見た、と矢継ぎ早に繰り出される感覚の劇的なサスペンスタッチ…

今日は、p.1251の上から4行目まで、読みました。音の感覚や色彩感覚と同様に観念感覚というものがあり、音楽家や画家になる才能と同じように哲学者になる才能というものもあり、今や、哲学者の才能を持つ人は、真理やら実在やらの追求ではなく、観念の秩序を…

今日は、1896年の『サントール』誌に発表された二篇の詩(「Vue」と「夏」)のうちのひとつ「Vue」を、読みました。マラルメの「小曲」に倣ったのでしょうか、7音節14行(4+4+4+2)の形式を使って、おそらくは海の体験を描いた、これも一服のエクフラシス…

今日は、「綱」の続き、p.181の124行目まで、読みました。今日はいつもよりペースを上げ、およそ3頁分、進むことができました。物語の勢いが良いので、できれば最後まで読みたかったのですが、残念ながら時間が来てしまいました。それにしても、実話に基づい…

今日は、「レオナルドと哲学者たち」p.1249の上から15行目まで、読みました。粗雑な偶像から美しい偶像へと大きく変革した古代彫刻史の例を引きつつ、ヴァレリーは、伝統的な哲学が「粗雑」であり、新たな哲学は、態度を改めて、美しい言語芸術へと変革しな…

今日は、「挿話」を、読みました。6行目から10行目にかけて現れる「笛」の吹き手=「宝石の歯をした罪人」とは一体何者か、最初のうちはよくわからなかったのですが、何度か読み返して、イメージを探ると、どうやら、「蛇」(=「ファロス」)のイメージでは…

今日は、ボードレールの『パリの憂鬱』から第35篇「窓」を読み、第12篇の「群衆」と似た詩人の想像力の冒険を味わったのち、第30篇「綱」の読みに入り、p.179の上から5行目まで、読みました。「母性愛」というのはごくありふれたものだが、自分は奇妙な母性…

今日は、p.1247の上から8行目まで、読みました。哲学者は言語芸術家である。哲学者は概念の操作をしているときに、まさに、創造をしているのだ。ヴァレリーはそう考えます。そういう認識を持てない哲学者をヴァレリーは批判します。とりわけ、パスカルに対す…

今日は、ホワイティングによる「ナルシスは語る」の注釈を、ざっと解説しました。同時に、作品を論じるときの基本的な作法として、比較の視点の重要性を強調させていただきました。ホワイティングの論文はフランス語によるものですが、用いる言語に関係なく…