2017-01-01から1年間の記事一覧

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第23節「個人崇拝」の内容を読み取りました。リュドレールにせよ、モルネにせよ、師ランソンの「方法」の肝心な前提部分をないがしろにしてしまったところに不幸があるとのことでした。最後の部分、ランソンと弟…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第22節の内容を読み取りました。リュドレールの悶絶調の師匠礼賛文体など、興味深い引用文がたくさんちりばめられています。次回は第23節の内容を読む予定です。少しだけ引用文の訳を割り振りました。年内ラスト…

今日は、モディアノの『八月の日曜日』とレダの『パリの廃墟』から、濃密な土地の詩学を読み取りました。それぞれの訳者である堀江敏幸さんの解説から、明快なガイドとなる部分もあわせて読みました。パリを訪れた際は、是非、地下鉄6号線のビラケムとパッシ…

今日は、ヴァレリー『若きパルク』の最終節となる第16節(465行目から512行目まで)を読みました。ハッピーエンドと言ってよい大団円でした。タナトスからエロスへ、墓のイメージから太陽のイメージへ。生きて、心臓の拍動を称賛する結末部は、「海辺の墓地…

今日は、第18課「ル・ペール・ノエル〔サンタクロース〕」の本文と練習問題をすべて終えました。教科書のテーマは季節の行事を考えて作られている場合がありますが、今回がそうでした。ちゃんと季節に間に合ってよかったです。皆さん、ちゃんと予習をしてく…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第21節「祖国」の内容を読み取りました。科学の普遍性と祖国の特殊性をどう和解させるのか、ランソンの詭弁が丁寧に読み解かれています。文学史がラテン中世のレトリック文化を無視し、十八世紀を贔屓にしたこと…

今日は、モディアノ『ドラ・ブリュデール』を読みました。抑えたドキュメンタリータッチの筆致が極めて哀切な効果を生んでいる傑作です。絶滅収容所に送られたユダヤ人の「抽象的な」歴史の背後に「具体的な」一個の生きた痕跡を辿ろうとする追跡小説という…

今日は、ヴァレリー『若きパルク』の第15節(425行目から464行目まで)を読みました。眠りに落ちていく様子の描写です。最後の「夢のディスクール」は、やはり夢を描いた散文詩『アガート』の世界と少し似たものがあります。さて、前期から読み継いできた『…

今日は、第17課「セルジュ・ゲンズブール」の本文の読みと練習問題をすべて終えました。『夢見るシャンソン人形』や『さよならを教えて』など、面白い歌詞を書いた才人についての紹介記事でした。次回は第18課を全部片づけます。引き続き、予習をどうぞよろ…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第20節「連帯」の内容を読み取りました。デュルケームの「労働の分割」概念を挟んで、民主主義から連帯へ、テーマが展開していきます。次回は第21節「祖国」の内容を読み取ります。いくつか、引用の訳を割り振り…

今日は、先週実施した中間テストの答案を返却してから、第15課の練習問題を片づけ、間髪を入れず、第16課の本文の読みと練習問題をすべて終えました。皆さんが予習をしてきているからこそ、このスピード感を維持できます。あえて、更なる希望を述べるなら、C…

今日は、モディアノのゴンクール賞作品『暗いブティック通り』を紹介しました。失った記憶を取り戻そうと、主人公はひたすらパリの街を歩きます。道はこの小説の重要な登場人物になっています。次回(12月6日)は、同じくモディアノの『ドラ・ブリュデール』…

今日は、ヴァレリー『若きパルク』の第14節、381行目から424行目まで、読みました。幻の死を夢想する前半部では、パルクの白い裸身が血の海に接吻している(浸っている)という凄惨なタナトス的光景が喚起されていましたが、後半部では、生命への回帰、蛇へ…

今日は、予定通り、中間テストを実施しました。終了後、ざっと解説してから、教科書第15課の本文を読み終えました。ラスコー洞窟の発見者は犬ということになりますね。次回は練習問題を片づけてから、第16課の本文&練習問題を全部終える予定です。引き続き…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第19節の残りと第20節の第2段落まで、内容を読み取りました。引用されていたセーニョボスの言葉(大学における文学研究をいかに民主主義に適応させていくか)には、危機感の程度において、昨今の文科系の学問の状…

今日は、レーモン・クノーの『文体練習』の一部を読み、その多彩な文体の技に触れました。そのあと、吉田加南子さんによるクノーの詩「詩法のためにIII」の解説を読みました。ついでに、同じく吉田さんによるボヌフォワの詩「鉄の橋」の解説も読んでみました…

今日は、ヴァレリー『若きパルク』の348行目から380行目まで、読みました。第12節でも第13節でも、生と死のテーマの対比が明瞭です。島々の花は生命力にあふれて美しいが、深いところでは島々の足は凍りついている、とか、心拍音が、枯葉のかすかな震えの音…

今日は、第14課「ディエンビエンフー」の本文の読みと練習問題をすべて終えました。重い歴史の話題が二つ続きましたが、いずれも重要な報告でした。さて、来週は予定通り中間テスト(筆記試験)を行います。範囲は第11課から第14課までとなります。本文・練…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第18節の残りと第19節第4段落までの内容を読み取りました。19節(民主主義)、20節(連帯)、21節(祖国)は「文学史の理想」というタイトルのもとで、ひとかたまりを成しています。引用を割り振りました。引き続…

今日は、デュラスの『愛人』のテクスト抜粋を読みました。語り手の回想の時間と空間が多層性を成していることを、実際のテクストに当たって確認しました。特に、戦時下の、ひと通りのない、がらんとしたパリの街を背景に思い出される二人の女性の形象の特徴…

今日は、ヴァレリーの詩『若きパルク』の334行目から347行目まで、読みました。前回に引き続き、高橋俊幸さんの丁寧かつ説得的な解説を紹介させていただきました。342行目から343行目の、小舟で魚をとる漁師のイメージについては、レジーヌ・ピエトラの解説…

今日は、第13課の本文の残りと練習問題をすべて終えました。来週は第14課の本文と練習問題をすべて片づけます。したがって、11月21日の中間テストの範囲は教科書の第11課から第14課までとなります。今から十分に準備をして、気持ちよくテストを乗り切ってい…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第17節の残りと第18節の第4段落までの内容を読み取りました。ソルボンヌに属するランソンと、それを批判するアクション・フランセーズ(第17節)、そしてペギー(第18節)と、対立の構図がわかりやすく描かれてい…

今日は、デュラスの『モデラート・カンタービレ』について解説しました。男女の痴情のもつれかと思われる殺人事件をオリジナルにして、想像界での第二のエロス&タナトスのドラマがアンヌとショーヴァンの間で展開します。夕方に逢うのでどうしても西日の描…

今日は、コンパニョン『文学の第三共和政』の第16節の残りと第17節の第5段落まで、内容を読み取りました。16節最終段落でサルトルの『言葉』が引用されていましたが、そこで語られていたことがコンパニョンのそこまでの論説に一定の影響を与えているというこ…

今日は、サン=テグジュペリの『星の王子さま』と『人間の大地』を読み、「砂漠が美しいのは、どこかに井戸が隠れているからだよ」という王子さまのひとことの背後に、飛行機のパイロットだったサン=テグジュペリ自身による砂漠での遭難の体験があることを…

今日は、ヴァレリー『若きパルク』の後半部に入り、325行目から334行目まで、読みました。299行目から347行目までの部分については、高橋俊幸氏の論文「〈若きパルク〉新訳・註解の試みのためのメモ」(『芸文研究』第88号、2005年)にじつに明快な解説があ…

今日は、第12課の本文を復習してから、練習問題の残りを片づけ、第13課に入り、9行目まで読みました。次回は第13課の本文の残りと練習問題を終える予定です。引き続き、予習をどうぞよろしく。

今日は、カミュの『異邦人』から第一部ラストシーン(アラブ人殺害の場面)と第二部ラストシーン(司祭を前にキレるムルソーの自由間接話法の場面)を読み、「距離感」を表現する「不在の文体」(バルト)を観察し、銃弾の追加四発の意味などを考えました。…

今日は、ヴァレリー『若きパルク』の299行目から324行目まで(第10節の第3パート)、読みました。省略符号が多く使われていますが、これはパルクの歩み(足跡)の形態的な擬態です。波と風の混じる風景を、流音を多用して表すのは音韻的な擬態です。ヴァレリ…