今日は、p. 99の18行目まで読みました。p.97から98にかけて、ユーパリノスの寓話(薔薇の蝋細工を砂に埋めて溶かし、その鋳型に青銅を流し込むと、薔薇のブロンズ像ができるというアレゴリー)についてのパイドロスの解釈――薔薇はあらゆる事物あるいは人生、蝋細工は日々の芸術活動、青銅は魂の例外的な力、という読解――がなされます。重要なのは、青銅の流し込み、つまり、魂の例外的な力の発揮については、「知恵の明快な鋳型」のなかで形が固まるように、神秘的な運河を通って、煮えたぎる青銅の液を導かなければならない、というところだと思います。そして、どうやら、その神秘的な運河を通って魂の例外的な力を導くためのヒントは、「身体」という「普遍的な諸関係」・「驚異の実体」のうちに宿っているようです。次回は「おお、我が身体よ」で始まるユーパリノスの朝の祈りの部分から読んでいきましょう。