2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は、まず、ユゴーの1830年の演劇『エルナニ』第一幕第一場のテクストを読んでから、続いて、1872年執筆のゴーチエの『青春の回想―ロマンチスムの歴史―』から第12章「エルナニ」の初演回想部分の記述を、読みました。この概論の問題意識からは、ゴーチエ…

今日は、p.467の終わりまで、読みました。最初に、1930年刊行のバランシエ版の現物(岐阜大学図書館所蔵)をお見せしました。薄く色づいた透かし入りオランダ紙に印刷された265部のうちの一冊です。1923年のテクストを見開き左頁に大きな活字で組み、1930年…

今日は、D先生の宿題(ジョー・ダッサンの「インディアン・サマー」の歌部分の出だしの暗誦)をこなしたあと、教科書39頁の練習問題3番を終えました。それから15課に入り、ディアローグをDVDで見て、意味を確認してから、複合過去形について説明しました。こ…

今日は、「蛇の素描」の第二詩節の終わりまで、読みました。全体にi/yの音の響きが効いています。これは蛇の微笑みsourireの叙景に加え、i/yを発音したときの歯と舌の前景化、さらに7行目の「二股になった舌を出す」イメージの強化といった様々な効果を持っ…

今日は、ロマン主義の代表的な詩として、ラマルチーヌの「みずうみ」を読みました。詩人自身の悲恋の経験に基づく個人的な抒情詩であるという点では、これまでに読んできた、ルソーやコンスタンのテクストと同じ、自伝的な作品であり、また、いずれも、至高…

今日は、p.465の終わりまで、読みました。p.465の2行目の「industrie」は「産業」ではなく「巧妙な技」の意味です。6行目でヴァレリーは「tutoyer」していますが、この親密さは同業者意識に基づくものかもしれません。続く段落でも、ヴァレリーの原理的な作…

今日は、まず私の小テストの日程(11月18日と1月13日)をお知らせしてから第13課の練習問題3番を片付け、第14課に入りました。DVDでディアローグを聞き、全体の意味を確認後、文法のポイントである単純未来形について、「動詞の不定形+(ほぼ)…

今日は、p.84の下から9行目まで、読みました。「解説」の途中で終わってしまいましたが、「蛇の素描」という詩のテクストが引き起こしている問題性(プロブレマチック)がおおよそどのようなものか、古典的な議論の枠組みのようなものは感じ取れたと思います…

今日は、コンスタンの『アドルフ』の第三章をすべて、読みました。エレノールへの愛が成就するところです。ルソーのテクストに見られたような、愛の絶対的幸福=人生の中の一瞬の光、という図式がここにも反復されています。しかし、コンスタンがこの小説で…

今日は、p.463の空白部以下の第一段落の終わり(renonciation totale)まで、読みました。物理や数学の才能をさらに発展させることなく、夜空の恐怖を文章に紡ぎ、一切への絶望を語る男。その文章の美しさと、その男の「完全な自己放棄」(パスカルの「メモ…

今日はまず歌詞の中の代名動詞を紹介しました(je me baladais〜)。そのあと、テキストpp.34-35の「フランス人の一日」をDVDで見てから、第13課に入り、ディアローグを一通り読みました。また、命令法については、クリック・ル・フランセで少しだけ練習しま…

今日は、まず「惑わすもの」のこぼれ話として、ヴァレリー宛ての手紙に記されたジッドによる「替え歌」を紹介しました。そこには単にユーモラスな模倣の遊びだけでなく、ある若者へのジッドのより親密な思いも含まれているようです。続いて、「偽りの死せる…

今日は、先週に続いて、ルソーの『孤独な散歩者の夢想』の第十章(最終章)を読みました。ルソーにおける自己形成の主題と、ヴァラン夫人との愛の幸福の主題という二つのテーマが対をなして交錯し、反復しながら出現するテクスト模様はまさしくソナタ形式そ…

今日は、プレイヤード版のp.460の終わりまで、読みました。まず、パスカルの問題の断章(「この無限の空間の永遠の沈黙は私を恐怖させる」)について、ミシェル・ル・ゲルン版(フォリオ)の注を紹介しました。この注によると、パスカルのこの断章の「私」は…

開講しました!

今期もよろしくお願いします。まず工学部フランス留学促進イベントの案内チラシを配り、続いて夏休みの宿題を回収しました。今後の授業のなかで少しずつ紹介していく予定です。そのあと第12課のディアローグをDVDで見ながら読みと解釈。ポイントの代名動詞を…

開講しました!

前期に引き続き、ヴァレリーの詩集『魅惑』を読んでいきます。今日は、「風の精」と「惑わすもの」をざっと読んでみました。前期に読んだ「アポロンの巫女」はかなり長い詩(230行)でしたが、そのあと、小品が三つ続きます。「風の精」と「惑わすもの」はい…

開講しました!

今学期は18世紀後半から19世紀後半までのフランス文学の作品を取り上げる予定です。ゆらりとした共通テーマとして「自伝の文学」を特に考えていくつもりです。初回の今日は、近代的な自伝文学の嚆矢といってよいルソーの『告白』から、有名な「あ、ツルニチ…

開講しました!

後期はヴァレリーのパスカル論「パンセの一句を主題とする変奏曲」を読みます。初回の今日は導入として、プレイヤード版の注(pp.1738-1739)を読みながら、刊行テクストの変遷や、他の関連テクストを紹介しました。来週から、まず、1923年の本文を通して読…