2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

今日は第12課の練習問題をじっくりと解いてから、第13課に入り、発音練習は少なめにして、全体の解釈をさくさくと進め、練習問題もすべて終えました。次回(11月6日)は第14課の本文と練習問題をすべて終える予定です。というわけで、11月13日の中間試験は、…

今日はル・クレジオの初期の短編集『発熱』(1965)から、表題作の「発熱」と二番目の短編「ボーモンが痛みを知った日」の一部を紹介してみました。「発熱」の主人公ロックが、熱病にうなされて経験する「奇妙な旅」の部分は、細かく味わってみるに値すると…

今日は第17詩節。ローラーさんの注釈を丁寧に読むことに集中しました。注釈p.219の表現「稀に見る大胆な言葉遊び」は、直接的にはvaporeuse/poreuseの脚韻と、意味的な連関(vousという代名詞の消失がvaporeuseという語の意味に対応し、「私の存在」がporeus…

今日は、第13番「寡婦たち」の残りを読みました。女性Aと女性Bとどちらがより一層悲しい存在かはわからない。と書かれたあとで、まず女性B(老女)が語られ、続いて、女性A(子連れの美女)が語られる、という配置はキアスムchiasmeでした。貧者と富者の…

今日は、まずディクテ(p.16の第二段落)をやってから、第5課(モナコという国)を読みました。3行目で「殿下」を表す言葉「ソン・ナルテス・セレニッシーム」というのがありましたが、Serenissimeはイタリア語のsereno(「穏やかな」の意)の最上級です。こ…

今日は、最初に、先週の授業の終わりに配った世界的な株価下落をめぐる『ル・モンド』のニュース記事について、少しだけ解説を加えました。contagion de la crise a l'economie reelle(危機の実体経済への波及)などという表現はとても参考になりますよね(…

今日は、まず、先週紹介したデュラスの『モデラート・カンタービレ』の中から「西日」の描写をいくつか抜き出して、解説してみました。話を交わす二人の影が壁に繋がって映り、それが黒い穴のようになった、という部分は特に不吉な感じがよく出ていましたね…

今日は『海辺の墓地』の第16詩節を読み、ローラーさんの注釈を精読しました。注釈を一字一句ゆるがせにせず、その意味するところを十分に考えながら、注釈者の思考に寄り添ってみる、という経験もなかなか重要で、着実な読解共有感覚を味わうことができると…

今日は第12番「群衆」の最終パラグラフを読み終えてから、第13番「寡婦たち」に入り、p.130の7行目まで(全体の32行目まで)読みました。列挙のもたらす効果を味わうために、少し立ち止まってみました。第一段落ではparが五つ出てきますが、似たような表現が…

今日は、まず恒例のディクテ(p.11の第一パラグラフ)を行ってから、第3課(レンタサイクルの話)の残りをさくさくと終えました。数量を示して、すぐにdeでつなぐ言い方が、何度も出てきます。是非、慣れて、使えるようにしてください。続けて、第4課(サン…

今日は第11課の本文・練習問題をすべて終えました。コロン(同格説明「すなわち」)とセミコロン(列挙される例の間の区切りのしるし)の違い、エタ・フランセ(ドイツによる占領時代の傀儡国家)とレピュブリック・フランセーズ(完全に独立したフランス共…

今日は、マルグリット・デュラスの『モデラート・カンタービレ』(1958年)を紹介しました。短いですが、密度の濃い象徴主義的小説という印象を持ちます。細部の表現に、実に見事と思われる部分がたくさんあります。たとえば、カフェでショーヴァンと話をし…

今日は第15詩節を読みました。13、14と、難解で、イメージしにくい部分が続いたせいか、この詩節は、具体的で、わかりやすく、また哀切な調子もあって、ノリよく読めました。死と生の間で、血/赤/エネルギーが移動した感じ、生命が花のほうに移っていった…

今日は第12番「群衆」を読みました。ボードレールの文章には古典的均斉美とでも呼べるような安定感があります。内容の現代的な面白さと形式の古典的な堅固さが、いいバランスを保っていて、読んでいて心地よい、というか、落ち着くというか。たとえば、9行目…

今日は、まず前回やった第1課の一部分についてディクテ(聞いて書く練習)をやってみました。今後は授業の初めの10分間をディクテに当てます。ディクテは、構文と語彙の知識を定着させる点で、とても有効な方法です。今回は抜き打ちでしたので、十分に書けて…

今日は第10課の残りと練習問題を片付けて、第11課に入り、p.42の7行目まで読みました。構文的に重要なのは、p.39の9行目の「フランスのブドウ栽培農家は超高級ワインだけを生産しているわけではない」というところで、これは、いわゆる「ne〜queの構文」の否…

今日はミラン・クンデラの『冗談』(1967)と『不滅』(1990)の一部を紹介しました。『冗談』からは、クンデラの反抒情主義がもたらす強烈な「抒情」について、愛と性の不一致が生むアイロニーの場面を例に挙げて、説明しようと試みましたが、まだ十分では…

今日は、ヴァレリー自身による朗読を聞きながら、「海辺の墓地」の第13詩節と第14詩節を読みました。ここは難しいところですが、1917年の初稿段階から、ほぼ書かれていたところで、全体の中でも、大きな手直しをこうむることのなかった部分です。ローラーさ…

開講しました

今期もよろしくお願いします。前期にひきつづき、物語性の強い、長めのものを読んでいこうと思いますが、後期オープニングの今日は、ボードレール的な(?)雰囲気に浸り、なんとなくスプリーンな(?)気分を味わう意味も込めて、第10番「午前一時に」を…

開講しました

今日は、まず今後の授業予定と成績評価の方法、具体的な授業の進め方などを説明し、皆さんに、フランス語の学力の自己評価とこの授業を受講するに当たっての目標をミニットペーパーに書いていただきました。全学教育の展開フランス語IやIIよりは質的にも量的…

開講しました

今日は、まず、新しく私の授業を受講される方々を意識して、今学期の授業予定と成績評価の方法、授業の進め方などについて、具体的に説明しました。それから、いつも学期初めにやるように、皆さんの目標(受講動機)をミニットペーパーに書いていただきまし…

開講しました

あっという間に「夏休み」が終わり、新学期に突入です。前期は20世紀前半の作品をいくつか読みましたが、後期は20世紀後半の作品をいくつか読んでいく予定です。前期と同様、授業は、具体的なテクストを紹介して、ひたすら私が話をするというスタイルで行く…

開講しました

いよいよ10月。新学期の始まりです。今日は「海辺の墓地」の全体の構成について、9月6日の「みやぎ県民大学」の資料を活用して、説明しました。細かく読む作業が大事であることはもちろんですが、全体の眺め、大きな流れを抑えておくということも大事です。…