2014-01-01から1年間の記事一覧

今日は、フローベールの小説制作論について触れてから、小説『感情教育』の冒頭部を丁寧に読んでみました。前回、フローベールの小説は言わば小説の小説というメタ性が際立っているというようなことを申しましたが、この冒頭部もやはりそのよい例です。これ…

今日は、ヴァレリーの「パスカルの〈パンセ〉の一句をめぐる変奏曲」(雑誌初出は1923年)に付された註(1930年バランシエ版初出)の残りを全部、最後まで読みました。譲歩構文をたくさん並べれば並べるほど、最後に来るイイタイコトの一文のパワーが強くな…

今日は、第19課に入り、Dialogueを丁寧に見て、とりあえず意味をとりました。続いて、〈クリック・ル・フランセ〉で主な文法事項の説明を確認して、簡単な練習をこなしました。動詞の現在分詞は直説法現在一人称複数の語幹から作ります。nous prenons→prenan…

まずレポートのお知らせをしました。締め切りは1月27日(火)。課題は前期と同様です(フランス詩一篇について原文と自訳を示した後、2000字程度で解説。「形式と内容の一致」という観点に触れること)。冬休みの間に素材を決めて準備されることをおすすめし…

今日は、フローベールの『ボヴァリー夫人』から第二部第八章の有名な農事共進会のシーンを、読みました。何度読んでも凄いところだと思います(特にフランス語原文で読むのがいいです)。言葉に関する批判的反省が作品となって結晶しています。時々、こうし…

今日は、p.466の上から8行目まで、読みました。作家・詩人・修辞家としてのパスカルという側面をなぜ人は見ようとしないのか、ヴァレリーにとって論理的に自明に思えたことを自明とは認めたくない人々によって、ヴァレリーの論はだいぶ叩かれたようですが、1…

今日は、金曜日のD先生の小テストに合わせて、14課から17課のポイントをざっと復習しました。その後、教科書49頁の練習問題の1番と2番を復習してから、3番のディクテーションも終えました。形容詞bonの比較級、副詞bienの比較級は特殊な形をしてい…

今日は、第21詩節の終わり(第210行)まで、読みました。蛇がイヴを誘惑しているシーンが続きます。音の工夫が非常に濃密な部分です。文字で見ているだけではわかりにくいことが、音のレベルでは明快なことが時々起ります。たとえば、第18詩節の3行目の「エ…

今日は、先週に引き続き、バルザック『ゴリオ爺さん』から、ヴォートランの辛口処世訓と、ゴリオ爺さんを埋葬するラストシーンを、原文も味わいつつ、読みました。ヴォートランも、ジュリアン・ソレルと同じく、ボナパルティストであること、強烈な意志の人…

今日は、45ページの2番と3番を片づけてから、映画についてのDVDを見て、第18課に入りました。まずディアローグを見て、詳しく解説しました。文法のポイントは比較級(優等/同等/劣等)と最上級です。いつものように「クリック・ル・フランセ」で基本的な説…

今日は、「蛇の素描」の第17詩節の終わり(170行目)まで、読みました。第15詩節には流音のアリテラシオンがたくさん出てきますが、これはイヴの髪の毛やからだの、流れるような様子を描いています。149行目に現れる「nuqueうなじ」という単語はヴァレリーと…

今日は、バルザックの『ゴリオ爺さん』から、ボーセアン夫人からラスティニャックへの出世指南、それと、ヴォ―トランからラスティニャックへの出世指南を途中まで、読みました。翻訳を読んでから、さらに、フランス語の原文を読むと、表現の効果の細部まで、…

今日は、1930年に付された註の続きで、p.464の2〜3行目あたりまで、読みました。ヴァレリーは時々、ne〜rien qui ne…「…でないような何物も〜ない」という一種の誇張法を使います。たとえば、「このテクストからほとんど不可避的に導きだされないような何物…

今日は、まず先週実施したテストの答案を返却しました。次回はまじめに準備してほしい方々が結構おられましたよ。続いて、p.43の3番を完全化して板書してもらいました。それから第17課に入り、DialogueをDVDでじっくり見てから、意味をとっていきました。今…

今日は、第14詩節の終わり(140行目)まで、読みました。第13詩節から第27詩節までは、人類最初の女性であるイヴを襲った蛇(=悪魔)の回想部分です。123行目のespritsは掛詞になっていて、精霊たちという意味と息吹という語源的意味が重ねられています。註…

今日は、スタンダール『赤と黒』から、レナル夫人の様々な描写に続いて、もう一人の魅力的な登場人物マチルドの人物像に迫ってみました。ジュリアン・ソレルとは身分が違いますが、才気と美貌、そして「幸福」の欠如の点において、マチルドはジュリアンとよ…

今日は、1923年発表の「パスカルのパンセの一句をめぐる変奏曲」の本文に対してヴァレリーが1930年に付した註の読みに入り、p.459の真ん中まで、読みました。二番目の注が少し込み入っていましたが、遠回りの言い方ながら、ヴァレリーはパスカルは大多数の人…

今日は、予定通り、小テストを実施しました。ざっと見た感じでは、まずまずできているようです。単純未来形の作り方や、動詞の過去分詞など、覚えるべきところはしっかり覚えましょう。ゆっくり解説をしたあと、クリック・ル・フランセで、複合過去と半過去…

今日は、第11詩節の終わり(110行目)まで、読みました。第9詩節には鼻母音(ain/an)がたくさん出てくるほか、「クレアット/ベアット」の内的ヒアートゥス(母音衝突)の脚韻が印象的です。古典作詩法はあらゆるヒアートゥスを嫌いますが、ここでの悪魔は…

今日は、スタンダールの『赤と黒』のプリントの2番と3番を詳しく読んでから、レナル夫人とマチルドという二人の女性キャラクターをめぐって、さらに他の描写も追ってみたいと考え、皆さんにプリントを配り、レナル夫人をめぐる描写を二つほど読みました。田…

今日は、本文のラスト(p.473の最後)まで、読みました。「心」は(〈神〉を)発見し、「精神」は(〈システム〉を)探究する。パスカルは(〈神〉を)発見したが、それは、探究しなかったからだ、というのが、この論文のヴァレリーの一貫した態度です。途中…

今日は、教科書p.40の複合過去形の作り方のうち助動詞にetreをとる動詞のリストを確認し、それぞれについて活用練習をしてみました。続いて、第16課のディアローグをDVDで細かくゆっくり繰り返し見て、意味をとりました。それから「クリック・ル・フランセ」…

今日は、「蛇の素描」の第4詩節から第8詩節まで、読みました。語り手(蛇=サタン)の呼びかけの対象が3〜5では「太陽」でしたが、6からは「天を支配する人」(=神)に変わります。太陽に対してはtuで呼びかけていましたが、神に対してはvousを使ってい…

今日はゴーチエの回想「エルナニ」の残りをゆっくりと読んでから、いわゆる古典主義とロマン主義の対立図式について簡単に復習をしました。この図式が王政復古期の反革命派のイデオロギーによって強化されたかもしれない点について指摘しました。こういう思…

今日は、「パスカルのパンセの一句をめぐる変奏」の続きで、プレイヤード版テクストのp.470の下から12行目まで、読みました。日中と違い、夜は、思考と事物との連結が切れて、人は星空を前にぼうっとするしかないけれども、人間の感受性はこうした茫然自失の…

今日は、第15課の練習問題の1番と2番を片づけました。また、先週に引き続き、「クリック・ル・フランセ」で複合過去の練習問題をたくさん解いて、定型的な表現に慣れました。金曜日のD先生の授業までの宿題は41頁の練習問題3番と第16課のディアローグの予習…

今日は、復習と今後の予習の見通しを兼ねて、「句切り」の置かれる場所について、確認と練習をしてみました。地道な基礎作業ですが、詩句の物質性がよく感じ取られるので、詩をしっかり読むためにもよい訓練になります。第一詩節では8音節詩句の中で4/4の句…

今日は、まず、ユゴーの1830年の演劇『エルナニ』第一幕第一場のテクストを読んでから、続いて、1872年執筆のゴーチエの『青春の回想―ロマンチスムの歴史―』から第12章「エルナニ」の初演回想部分の記述を、読みました。この概論の問題意識からは、ゴーチエ…

今日は、p.467の終わりまで、読みました。最初に、1930年刊行のバランシエ版の現物(岐阜大学図書館所蔵)をお見せしました。薄く色づいた透かし入りオランダ紙に印刷された265部のうちの一冊です。1923年のテクストを見開き左頁に大きな活字で組み、1930年…

今日は、D先生の宿題(ジョー・ダッサンの「インディアン・サマー」の歌部分の出だしの暗誦)をこなしたあと、教科書39頁の練習問題3番を終えました。それから15課に入り、ディアローグをDVDで見て、意味を確認してから、複合過去形について説明しました。こ…