2011-01-01から1年間の記事一覧

今日は、「ナルシス〈断章〉」をめぐるニコル・セレレット=ピエトリの1974年の論文の読みに入り、p.12の真ん中下まで、読みました。自分を見る自分というナルシスのテーマは、「二重化」を前提とした「意識」の問題系とダイレクトにつながる、というのが論…

今日は、まず、「水浴(する女)」の『旧詩帖』版と1892年版を比較し、表現の違っている部分を観察してから、ホワイティングさんによる解説にざっと目を通しました。解説の文章のなかで「hypallage代換法」という修辞学用語や「consonnes occlusives閉鎖子音…

 開講しました!

今日は、まず成績評価の方法や、今後の授業予定について説明したのち、さっそく19世紀後半の概観の第一回としてボードレールの『パリの憂鬱』から第9番の散文詩「駄目なガラス屋」を例に挙げ、テクストをひととおり読んでから、先行テクストとの関連の二形態…

 開講しました!

今期は、ヴァレリーの「ナルシス〈断章〉」についての研究論文をいくつか読んでみようと思います。今日は、さっそく、1974年のニコル・セレレット=ピエトリの論文「ナルシスの変貌」と1992年のミシェル・アキアンの論文「〈断章〉の断章」のコピーを配付し…

今日は第11課(ココ・シャネルの話)の本文と練習問題をすべて終えました。今日から毎回1課を規則的に片づけていきます。シャネルの若い時を描いた映画「ココ・アヴァン・シャネル」(シャネル以前のココ)の予告編や映画の一部がYouTubeで見れます。ネット…

今日は「水浴」(あるいは「水浴する女」)のテクストをひととおり最後まで読んでみました。泉の丸い水面のイメージ、そこに映る青空や森のイメージ、アップに巻いて結った豊かな金髪のイメージ、うなじと首のイメージ、などなど。詩の言葉から活き活きとし…

開講しました!

本日、後期授業の開講です。今日は、初めての方もいらっしゃるので、まず、概要や成績評価の仕方、そして今後の授業予定や試験日程について説明しました。中間と期末の筆記試験がそれぞれ35点で70点、予習をしたうえでの授業参加が30点です。今日は、テキス…

開講しました!

お久しぶりです。本日、後期授業の開講です。今日は、初めての方もいらっしゃるので、概要や成績評価の仕方などを説明し、前期に読んだ詩篇の復習を簡単に行いました。また、これから読むテキストや解説プリントをお配りしました。さっそく、「水浴」(とい…

最終回の今日は、p.1194の下から9行目まで、読みました。キレメのよいところで終わることはできませんでしたが、前回、百年に一度あるかないかという見事なキレメで終わりましたので、まあ、よしとしましょう。不定形なものをどのように描くか、というヴァレ…

前期最終回の今日は、「〈ナルシス〉断章」の最後まで、無事、読み終えることができました。とりあえずテクストをひととおり、最初から最後まで、ゆっくり読んでみるという目的を果たすことができて嬉しく思います。細部において難解な部分はいろいろありま…

期末試験実施

今日は、予定通り、期末試験を実施しました。実力問題のほうは、先週木曜日の「ル・モンド」電子版から、福島に続いて宮城県も肉牛の出荷が停止されたというニュースでした(今日の日本のニュースでは、福島、宮城、岩手に続いて栃木も出荷停止とのこと……)…

前期最終回の今日は、1890年発表のソネット「白」(のち「妖精の国」と改題)と、ホワイティングさんによる解説をすべて、読みました。1890年のヴァレリーの美学が、感覚の薄味(どぎつさのない感じ)による純粋の追求にあることが、この時期の12篇の詩への…

今日は、第10課を終えました。アメリカのフランス語圏ルイジアナ州についての記事でした。フランス語圏の地図を何度も参照しながら、解説しました。語法的には、rendre+名詞+属詞とか、on entend dire queの構文が重要です。例文をたくさん読んで、習熟し…

今日は、新しい章「床と不定形なものについて」に入り、p.1193の下から7行目のqu'il aimait(「切れ目」のよいところ!)まで、読みました。今日読んだ中では、Des queを二つ用いた息の長い一文が、内容的にも重要な、じつに見事な文でした。色彩というもの…

今日は、第3断章の第34行まで、読みました。第16行から第24行までの九行は、神々への祈りのシーンです。映像として映る美しいナルシス(愛されるナルシス)が、ついに、みずから、こちらへの愛の行為を望むようになるまで、(泉にナルシスを映す)光…

今日は、第9課の本文・練習問題、すべて終えました。文章は短いものでしたが、なかなか印象深い内容でした。ノルマンディーの先端部の小村ラ・アーグはバルビゾン派の創設者のひとりミレーのふるさと。1960年代までは寒村だったのが、1966年の核廃棄物再処理…

今日は、1890年の「海から現われ出る女」をひととおり読んでから、ホワイティングの注釈を読みました。詩の解説は難しい作業ですが、同じ作家の別の作品との比較(特に似たテーマを扱った作品との比較)や、同じ作家の別の散文テクスト(手紙や日記など)と…

今日は、p.1192の最後まで、読み終えました。馬を好んだドガの様子が味わい深い筆致で描かれていました。最後のところ、サン=トギュスタン教会前にあるポール・デュボワ作のジャンヌ・ダルク騎馬像の馬のほうばかり評価するドガに対して、ヴァレリーは、ジ…

今日は、「ナルシス断章」の第二断章の残り、第83行から第116行まで、読みました。第108行から第113行までの六行は、形式的には、主に相互的な再帰代名詞から成る代名動詞の不定形と名詞句が並べられた、何というか淡白な構文がとられています。内容的には、…

今日は、第8課の本文、練習問題、すべて終えました。ミネラル・ウォーターをめぐる記事でした。既に日本でも、いろいろな種類のものが売られていて、人によって好みも違うことでしょう。また、季節や天候によって、飲みたい水も変わってくるということがある…

今日は、先週の残りの部分(成熟期のヴァレリーの詩学をまとめたところ)をざっと説明してから、第4番目の詩「ヴィーナスの誕生」を、ひととおり読みました。イメージが定まらないところがいくらか残りましたが、無理に急ぐ必要はまったくないので、とりあえ…

今日は、p.1192の14行目まで、読みました。息の長い文、入り組んだ構文がたくさん出てきました。いつも繰り返し申し上げている通り、こういう文章は慣れが肝心です。ポイントは、構文をしっかり把握すること。最初のうち、肝心の構文がよく見えないのはあ…

今日は、第2断章の第82行まで、読みました。一度は愛で結ばれた恋人たちが、その後、すぐに愛と憎しみの交錯や、別れの悲しみなどで、ぐちゃぐちゃになっていく様が、第44行から第82行までの箇所に描かれています。第63行からの20行分は、イメー…

今日は、第7課「郊外の若者」を、終えました。郊外の問題は、移民の問題と不可分です。興味のある方々は是非、いろいろな文献に当たって、調べてみてください。今回のテクスト、文章の量は多めですが、簡単な構文がほとんどで、さほど難しくありませんでした…

レポート課題をアナウンスしました

今日は、「オルフェウス」をめぐるホワイティングさんの注釈のうち、p.47からp.50まで、論の展開を丁寧に追ってみました。論文を読むのは結構疲れますが、documentation(引証=証拠資料の提示)の手際や、問題意識の流れを観察すると、いい勉強になります。…

今日は、p.1191の真ん中ほどのse devinent.まで、読みました。息の長い文や、凝った表現の文が続きますが、全体の構文を捉えて、動詞の使い方に気をつければ、なんとかなります。マイブリッジの連続写真や、マラルメとルノワールをドガが撮った写真の話が出…

今日は、「ナルシス《断章》」全3部のうちの第2部(第2断章)に入り、第43行まで、読みました。普通の男女の恋愛の虚妄(ナルシスから見ると、それは惨めな虚妄となります)を描いた第23行から第82行までの60行分は、『ヴァレリイの詩』の井澤義雄も「圧…

今日は、先週実施した中間試験の答案を返却してから、第6課に入り、本文・練習問題ともすべて終えました。Daft Punkというグループをご存知でしたか? 音楽シーンにとんと疎い私は初めて知りましたが、この記事に促されてYouTubeの動画をいくつか見てみたら…

今日は、1926年版のソネット「オルフェウス」を、ひととおり読みました。3行目のauguste tropheeですが、おそらく、ローマ皇帝アウグストゥスの戦勝を記念した有名な遺跡trophee d'Augusteへの参照があるだろうと思います。音的には第一tercetのche(シュ)…

今日は、p.1190の真ん中少し下のcalque.まで、読みました。《si+形容詞+que+接続法》の譲歩構文(どんなに〜であろうと)や、《avoir beau+不定詞》の構文(どんなに〜しようと/〜だが)が、《ne〜que》の構文や、《comme〜tel》の構文などと合わせて、どん…