今日は、「ナルシス断章」の第二断章の残り、第83行から第116行まで、読みました。第108行から第113行までの六行は、形式的には、主に相互的な再帰代名詞から成る代名動詞の不定形と名詞句が並べられた、何というか淡白な構文がとられています。内容的には、第107行の条件法を前提に、危険だけれども甘美な、仮想の結合(愛するナルシスと愛されるナルシスの不可能な結合)の様子が描かれています。この部分は、男女の結合を描いた第二断章の前半部分と比べると、無機的な感じがするかもしれません。このあと、第三断章では、この不可能な合一のテーマがさらに深く展開されます。では、また来週。