今日は、「ナルシス〈断章〉」をめぐるニコル・セレレット=ピエトリの1974年の論文の読みに入り、p.12の真ん中下まで、読みました。自分を見る自分というナルシスのテーマは、「二重化」を前提とした「意識」の問題系とダイレクトにつながる、というのが論のポイントです。ヴァレリーの「カイエ」の記述が、至るところで、重要な論拠として引用されています。この論文は、「カイエ」と「作品」との緊密なつながりを知るうえで、とても示唆に富むと言えるでしょう。難しいところも多々ありますが、基本的な論の流れをおさえつつ、丁寧に読んでいきたいと思います。次回はp.15の3行目まで読み、余裕があれば、次の節に入ることにしましょう。予習をどうぞよろしく。