今日は、第3断章の第34行まで、読みました。第16行から第24行までの九行は、神々への祈りのシーンです。映像として映る美しいナルシス(愛されるナルシス)が、ついに、みずから、こちらへの愛の行為を望むようになるまで、(泉にナルシスを映す)光が残って欲しい、そうなるように太陽の動きを止めてほしい、と、ナルシス(愛するナルシス)は愛される側のナルシスにも呼びかけながら、祈りを捧げます。第25行は第2断章ラスト部分の不定詞構文と同じです。現実性を持たない「幻覚」をあらわすのに効果的な構文なのかもしれません。次回(8月3日)は最終回となります。なんとか、「ナルシス〈断章〉」全314行を読み終えることができそうです。難解な部分が多い詩篇ですが、わかる部分のほうが遥かに多いはずです。ひととおりテクストを読み通したことに自信を持ちましょう。