2010-01-01から1年間の記事一覧

今日は、さまざまな画家たちの代表的な作品をプロジェクターに映し出しながら、前回の復習をゆっくりとこなしました。印象派の画家たちはコローやクールベから多くを学んでいますが、写実主義の作家たちによる風景画の改革が、ものの見方よりは、むしろ、主…

今日は、先週の復習をしてから、ヴァレリーの1936年の名エッセー『ドガ ダンス デッサン』から第3章「ヴィクトル・マッセ街37番地」の文章を、p.1174の真ん中まで、読みました。ドガのアトリエの様子を描写した部分です。いろいろとこまごましたものが出てき…

今日は、ヴァレリーの1935年の講演「芸術についての考察」の質疑応答部分の読みを少しだけ進め、p.79の真ん中くらいまで、読みました。今日は、とにかく、ひとつひとつの単語にじっくりと時間をかけて、プチロベール辞典をプロジェクターに映し出して用例を…

今日は、第11課「サン=ジャック・ド・コンポステルへの巡礼」を読み、練習問題も全部片づけました。スペイン語では「サンチャゴ・デ・コンポステーラ」となるのでしょうか、使徒聖ヤコブの墓があるとされたことから聖地となり、ここを目指す巡礼の道が主に…

今日は、1941年のヴァレリーのエッセー「ベルト・モリゾについて」の読みに入り、p.338の下から8行目まで、読みました。堅実なブルジョワの家庭に突然芸術家が生まれる現象を印象的に語った冒頭部のあと、ヴァレリーは、1839年と1845年のあいだに相次いで生…

 開講しました!

今日は第一回。成績評価の方法を説明してから、イントロダクションの説明をしました。テキストコピー(ヴァレリーの『ドガ ダンス デッサン』からの抜粋)を配付し、さっそく最初の数行分を、プロジェクターにテキストと辞書(『ロワイヤル仏和中辞典』とLe …

 開講しました!

今日は、前期に読んだヴァレリーの講演「芸術についての考察」(1935)本体部分のラストで触れられる「大芸術」について、『ドガ ダンス デッサン』(1936)の「現代芸術と大芸術」の章を参照し、ひととおり読んでみました。作者と享受者双方の人間に「全能…

 開講しました!

今日は、後期第一回。前期の期末試験答案を返却してから、後期の授業日程と成績評価の方法を説明しました。さっそく第10課の読みに入り、本文の解釈、練習問題を済ませました。ウェブ履修登録期間中はいわば「様子見」ですが、いつものペースで進めますので…

 開講しました!

今日は、後期第一回。前期に読んだ「マネの勝利」のうち、ゾラとマラルメの会話がどういうものだったのか、夏休みのあいだ、わかりましたので、それをお伝えし、とりあえず読んでいくテクスト「ベルト・モリゾをめぐって」(1941年)を配りました。成績評価…

後期開講日程

夏休みも終ってしまいました。あんなに暑かったのに、もう涼しく、ときには寒いくらいです。健康に気をつけて、また元気に後期の授業をがんばりましょう。さて、私の後期授業開始は以下のとおりです。10月5日(火曜日)3コマ目 ヴァレリーと美術 前期の復習…

東北大学文学部オープンキャンパス公開講義

今日は、オープンキャンパスの二日目。午後2時から3時まで、文学部第1講義室にて、高校生のみなさんを相手に、「文学都市パリの構造」と題する公開講義を行いました。フランスの首都パリは歴史のある美しい街です。中世の昔からパリはさまざまな文学作品の舞…

今日は最終回、予定通り筆記試験を実施しました。普段よりも多くの方々が(?)一発勝負の筆記試験を受けたようです。古典作品をなにかひとつしっかり読んで、あれこれ考えて、文章にまとめてみるという経験は、おそらく、皆さんの知的財産として生きるもの…

今日は最終回、ヴァレリーの1935年の講演「芸術についての考察」の講演本体部分のラスト(p.78の12行目)まで、読み終えました。ヴァレリーも最後は時間がおしていたのか、かなり急ぎ足の話ぶりであることが伝わってきます。p.76の下のほうで、芸術家の感情…

今日は最終回、予定通り期末試験を実施しました。教科書から20点、実力問題が15点、合計35点です。教科書のほうは、ちゃんと予習をして授業に出席し続けて、直前に復習をひととおりやっておけば、出来るのは当然です(休みが多かった人は、相当がんばって挽…

今日は最終回、ヴァレリーの1932年のエッセー「マネの勝利」を最後まで読み終えました。ゾラとマラルメのような文学論的には正反対の人々をも魅了したところにマネの栄光があると語るヴァレリーは、ラスト部分で、マネによる有名な肖像画「黒い帽子の(ある…

今日は、スタンダールの『赤と黒』、そして、バルザックの『ゴリオ爺さん』を駆け足で紹介しました。ジュリヤン・ソレルの愛読書は、ルソーの『告白』とナポレオンの『セント・ヘレナ日記』ですが、そうした文学的系譜を証明するような、征服のボナパルティ…

今日は、「芸術についての考察」の続き、p.75の6行目まで、読みました。文化が高度化し、社会が複雑化するにつれて、空間恐怖が装飾をうむというような自発的な創造だけでは足りなくなり、知性の大幅な介入が行われるようになります。芸術家自身も、詩人と実…

今日は、まず、フランス革命記念日の前祝いの意味を込めて、ミレイユ・マチウの歌うフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」に耳を傾けてから、第9課の本文(退職後の海外生活)と練習問題をすべて片づけました。途中、DOM‐TOM(フランスの海外県・海外領土)の…

今日は、まず授業評価アンケートを実施してから、「マネの勝利」の続き、p.168の左側7行目まで、読みました。マネの「オランピア」をめぐるヴァレリーのテクストは読み応えがあります。首に巻かれた黒いビロードのひもが純粋な頭部と不純な肉体を分離してい…

今日は、ロマン主義を古典主義との対比で図式化して説明したのち、代表的な抒情詩としてラマルチーヌの『瞑想詩集』から「みずうみ」という有名な詩を読んでみました。最後の祈願文の連続は、魂の昂揚を劇的に示した絶唱です。先週読んだルソーの「愛の幸福…

今日は、「芸術についての考察」のp.72上から11行目まで、読みました。前回、ヴァレリーが「補色」(色の「補足」の現象)を取り上げる理由がもうひとつよくわからないと書きましたが、今日のところを読むと、その理由がはっきりします。ヴァレリーは補色と…

今日は、第8課(ペタンクについて)の本文の読みと練習問題を、すべて終えました。今日は珍しく(?)全員出席。皆さん、ちゃんと予習をしておられるので、てきぱきと進みます。今日読んだところで特に面白かった表現をひとつ挙げるとすれば、12行目から13行…

今日は、「マネの勝利」のp.167左側下から7行目まで、読みました。マネにおけるロマン主義と写実主義の分有について、p.166右側下で、両者がさまざまな言い方で比喩的に表現されていました。それぞれ意味のつながりをつかんで、線で結んでループ化してみると…

今日は、ルソーの『告白』第六巻冒頭部と『孤独な散歩者の夢想』第十全文を並べて読み、満ち足りた「愛の幸福」体験がどのように語られているかについて、見てみました。「真に生きた」と言えるあの頃、ただひたすら「享受」するだけで完全に幸福だったあの…

今日は、p.70の真ん中、un seuil.で終わるところまで、読みました。実用的な事柄とは正反対に、保存・再生を誘う美的な事柄があり、その感覚の例としてヴァレリーは空腹と美味の経験を対比して挙げています。美味感覚は、ただ飢えを満たす空腹感の廃棄とは逆…

今日は、第7課の本文と練習問題を終えました。それほど難しいところはないだろうと思っていたのですが、本文10〜11行目の「時制の一致」の現象(ここではchangeraitという「過去における未来形」)の説明に思いのほか時間がかかってしまいました。changerait…

今日から、1932年のヴァレリーのエッセー「マネの勝利」の読みに入り、p.166右側13行目まで、ゆっくりと読みました。実にしゃれた冒頭です。たとえば18世紀のフランソワ・ブーシェなどの絵で有名な寓意画「ヴィーナスの勝利」を下敷きにして、仮に「マネの勝…

今日は、18世紀フランス文学の流れについて概説したのち、ヴォルテールの『カンディッド』とディドロの『ダランベールの夢』の一部を紹介しました。『カンディッド』はミュージカル化されていて、ちょうど今、東京の帝劇で上演されているようですし、過去の…

「芸術についての考察」の続きです。今日は、p.68の「美的無限」からの引用部分の下から8行目のところまで読みました。芸術作品とは何か、という問いをめぐる考察は、まず、特殊個別的な感覚に応える点で一般的な有用性を持つものではないことが指摘され、次…

今日は、ラシーヌの『フェードル』とモリエールの『人間嫌い』から、それぞれ、有名なシーンを紹介しました。悲劇『フェードル』では、ヴェニュスの呪いのために道ならぬ恋の獣と化す王妃フェードルの二つの告白のシーン(ひとつは乳母エノーヌに、もうひと…