今日は、「マネの勝利」のp.167左側下から7行目まで、読みました。マネにおけるロマン主義写実主義の分有について、p.166右側下で、両者がさまざまな言い方で比喩的に表現されていました。それぞれ意味のつながりをつかんで、線で結んでループ化してみると、文章の構図がすっきりと見えてきます。「パリ情景」や「宝石」などを書いた詩人ボードレールと、「オランピア」や「ロラ・ド・ヴァランス」を描いた画家マネの深い照応関係を指摘するヴァレリーは、二人の類縁性について、明晰な意識と技量の統御から導かれたのでないような効果は断固拒否すること、彼らの芸術家としての「純粋性」はその点に存することを強調しています。ボードレールの四行詩「ロラ・ド・ヴァランス」をめぐるヴァレリーの評価はなかなか面白いですが、それは、次回の楽しみとしましょう。では、また来週。