開講しました!

 今日は、前期に読んだヴァレリーの講演「芸術についての考察」(1935)本体部分のラストで触れられる「大芸術」について、『ドガ ダンス デッサン』(1936)の「現代芸術と大芸術」の章を参照し、ひととおり読んでみました。作者と享受者双方の人間に「全能力」の発揮を要求する大芸術は、後世に残ることを価値とする「持続」を重要視していますが、つねに「より新しいもの」を追求する現代では、「かつての芸術において、持続の重要視というものが演じていた役割のすべてが、ほとんど廃滅されている」と、ヴァレリーは嘆いています(これは、1930年代のヴァレリーの他の美術エッセーでも繰り返されるテーマです)。その後、講演の質疑応答の部分に入り、今日はp.79の5行目(アンドレ・モーロワの発言の途中)まで、読みました。少しずつペースをあげていきますので、予習をよろしく。では、また来週。