今日は、ヴァレリーの「パスカルの〈パンセ〉の一句をめぐる変奏曲」(雑誌初出は1923年)に付された註(1930年バランシエ版初出)の残りを全部、最後まで読みました。譲歩構文をたくさん並べれば並べるほど、最後に来るイイタイコトの一文のパワーが強くなります。キリスト教護教論に対するヴァレリーの毒舌は、同内容表現の反復によって強化されています。プレイヤード版の註の配置だとわかりにくいですが、バランシエ版では本文のどこに付された註なのか、明快です。最後のノエル神父の箇所もカヴァリエーリやサッケーリの話題への追補です。その前の聖ベルナールの言葉との比較はもう少し考察が必要です。また、このヴァレリーのテクスト全体を正当に位置づけるには、当時の評価(ヴァレリーパスカル論を批判した作家など)の具体的なドキュメントを収集してみる必要があります。今後の課題です。それでは皆さん、どうぞよい年末年始を!