今日は、第11詩節の終わり(110行目)まで、読みました。第9詩節には鼻母音(ain/an)がたくさん出てくるほか、「クレアット/ベアット」の内的ヒアートゥス(母音衝突)の脚韻が印象的です。古典作詩法はあらゆるヒアートゥスを嫌いますが、ここでの悪魔は故意に調和的規則を破って、神につっかかっていきます。ラ・フォンテーヌ流の語り口のパロディなどもあり、悪魔による神への挑発が、さまざまな表現技巧を用いて、浮き彫りにされています。正統的な作詩法の知識や音声学的な知識があると「蛇の素描」はいっそう面白く読める詩である、と言えるかもしれません。ではまた来週。