今日は、バルザックの『ゴリオ爺さん』から、ボーセアン夫人からラスティニャックへの出世指南、それと、ヴォ―トランからラスティニャックへの出世指南を途中まで、読みました。翻訳を読んでから、さらに、フランス語の原文を読むと、表現の効果の細部まで、いろいろと気づくことがあります。それにしても、ボーセアン夫人の言葉は教養豊かでエレガントで、それでいて強烈なリアリズムの力に満ちています。ギリシャ神話(アリアドネの糸)からデカルトの『方法序説』(世間という書物)まで、文学的なレフェランスが、彼女のイイタイコトの本筋にぴったり適合したものになっています。ヴォートランという男もまた魅力的です。彼の言説もまた強烈なリアリズムの力を持っているように思われます。来週も続きを読みます。