2014-01-01から1年間の記事一覧

今日は、「蛇の素描」の第二詩節の終わりまで、読みました。全体にi/yの音の響きが効いています。これは蛇の微笑みsourireの叙景に加え、i/yを発音したときの歯と舌の前景化、さらに7行目の「二股になった舌を出す」イメージの強化といった様々な効果を持っ…

今日は、ロマン主義の代表的な詩として、ラマルチーヌの「みずうみ」を読みました。詩人自身の悲恋の経験に基づく個人的な抒情詩であるという点では、これまでに読んできた、ルソーやコンスタンのテクストと同じ、自伝的な作品であり、また、いずれも、至高…

今日は、p.465の終わりまで、読みました。p.465の2行目の「industrie」は「産業」ではなく「巧妙な技」の意味です。6行目でヴァレリーは「tutoyer」していますが、この親密さは同業者意識に基づくものかもしれません。続く段落でも、ヴァレリーの原理的な作…

今日は、まず私の小テストの日程(11月18日と1月13日)をお知らせしてから第13課の練習問題3番を片付け、第14課に入りました。DVDでディアローグを聞き、全体の意味を確認後、文法のポイントである単純未来形について、「動詞の不定形+(ほぼ)…

今日は、p.84の下から9行目まで、読みました。「解説」の途中で終わってしまいましたが、「蛇の素描」という詩のテクストが引き起こしている問題性(プロブレマチック)がおおよそどのようなものか、古典的な議論の枠組みのようなものは感じ取れたと思います…

今日は、コンスタンの『アドルフ』の第三章をすべて、読みました。エレノールへの愛が成就するところです。ルソーのテクストに見られたような、愛の絶対的幸福=人生の中の一瞬の光、という図式がここにも反復されています。しかし、コンスタンがこの小説で…

今日は、p.463の空白部以下の第一段落の終わり(renonciation totale)まで、読みました。物理や数学の才能をさらに発展させることなく、夜空の恐怖を文章に紡ぎ、一切への絶望を語る男。その文章の美しさと、その男の「完全な自己放棄」(パスカルの「メモ…

今日はまず歌詞の中の代名動詞を紹介しました(je me baladais〜)。そのあと、テキストpp.34-35の「フランス人の一日」をDVDで見てから、第13課に入り、ディアローグを一通り読みました。また、命令法については、クリック・ル・フランセで少しだけ練習しま…

今日は、まず「惑わすもの」のこぼれ話として、ヴァレリー宛ての手紙に記されたジッドによる「替え歌」を紹介しました。そこには単にユーモラスな模倣の遊びだけでなく、ある若者へのジッドのより親密な思いも含まれているようです。続いて、「偽りの死せる…

今日は、先週に続いて、ルソーの『孤独な散歩者の夢想』の第十章(最終章)を読みました。ルソーにおける自己形成の主題と、ヴァラン夫人との愛の幸福の主題という二つのテーマが対をなして交錯し、反復しながら出現するテクスト模様はまさしくソナタ形式そ…

今日は、プレイヤード版のp.460の終わりまで、読みました。まず、パスカルの問題の断章(「この無限の空間の永遠の沈黙は私を恐怖させる」)について、ミシェル・ル・ゲルン版(フォリオ)の注を紹介しました。この注によると、パスカルのこの断章の「私」は…

開講しました!

今期もよろしくお願いします。まず工学部フランス留学促進イベントの案内チラシを配り、続いて夏休みの宿題を回収しました。今後の授業のなかで少しずつ紹介していく予定です。そのあと第12課のディアローグをDVDで見ながら読みと解釈。ポイントの代名動詞を…

開講しました!

前期に引き続き、ヴァレリーの詩集『魅惑』を読んでいきます。今日は、「風の精」と「惑わすもの」をざっと読んでみました。前期に読んだ「アポロンの巫女」はかなり長い詩(230行)でしたが、そのあと、小品が三つ続きます。「風の精」と「惑わすもの」はい…

開講しました!

今学期は18世紀後半から19世紀後半までのフランス文学の作品を取り上げる予定です。ゆらりとした共通テーマとして「自伝の文学」を特に考えていくつもりです。初回の今日は、近代的な自伝文学の嚆矢といってよいルソーの『告白』から、有名な「あ、ツルニチ…

開講しました!

後期はヴァレリーのパスカル論「パンセの一句を主題とする変奏曲」を読みます。初回の今日は導入として、プレイヤード版の注(pp.1738-1739)を読みながら、刊行テクストの変遷や、他の関連テクストを紹介しました。来週から、まず、1923年の本文を通して読…

今日は最終回です。まず先週実施した小テストの答案を返却しました。1番の訳は何とかなるとしても、2番の穴埋め問題はちゃんと書けないと点は取れないので、悪かった人が多かったです。今後の奮起に期待します。その後、教科書第11課の練習問題の終わりまで…

今日は、予定通り、小テストを実施しました。教科書通りの内容でしたが、動詞の活用形や熟語的表現の知識があるかどうかという点で得点に差が出ました。覚えるべきところはしっかり覚えて、フランス語の合理的な体系を、楽しく味わってほしいなあと願ってい…

今日は、フロランス・ド・リュシーさんの研究書から「アポロンの巫女」関連箇所の読みを、ひととおり最後まで、紹介、解説しました。第一次世界大戦の末期に書かれたこの詩には、フランス人としての詩人ヴァレリーの気魄が込められていることが、リュシーさ…

今日は、配付したテクストのp.292のラストまで、読み終えました。これで、ユイスマンスのパリ情景集から約15ページ分のテクストを精読したことになります。たくさん辞書を引く必要がありましたが、文学テクストを読むということは、結局のところ、辞書を丁寧…

今日は、テクストの残りを最後まで、読みました。デカルトの『方法序説』の文体、言葉遣いについて、きわめてシンプルで人間的と評したヴァレリーは、その誇り高くしかも親しみ深い言葉には「効果」や「計略」はない、と言っています。言外に、パスカルの文…

今日は、来週の私の小テストの範囲となる8課、9課、10課(ディアローグまで)のうち、特に9課のディアローグの訳・解説に時間をかけてから、宿題になっていたp.25の3番(時間を表す非人称構文の練習)を片づけました。それから10課のディアローグの訳・解説…

今日は、「アポロンの巫女」の生成研究の続きで、リュシーさんの論文のp.170の下まで、ざっと読んで解説しました。まず脚韻を決めていく詩人ヴァレリーの制作の様子が、草稿を追っていくと、よくわかります。形容詞をひとつ入れたいために他の前置詞を短いも…

今日は、p.291の上から10行目まで、読みました。フォランタン氏は古本だけでなく古美術や絵画などにもかなりの目利きのようです。p.290の下からp.291の上にかけての部分では、いわゆる贋作を容易に見抜くフォランタン氏の眼力が語られています。また、骨董屋…

今日は、ヴァレリーの1925年の短い文章「デカルト断章」を、p.789の14行目まで、読みました。ヴァレリーはアドリアン・バイエによる『デカルト氏の生涯』(1691年)をよく読んでいたようです。デカルトの友人メルセンヌ師が暮らし、デカルトのパリの宿でもあ…

今日は、第8課の文法のうち前置詞とその後の定冠詞の縮約(a+le→auやde+le→duなど)について、基礎フランス語の練習サイト「クリック・ル・フランセ」で練習問題をたくさん片づけることで、かなり身につけることができたと思います。最後は少し時間がなくな…

今日は、フロランス・ド・リュシーさんの研究書から「アポロンの巫女」の源泉をめぐる論述をひと通り(p.162からp.166の下から4行目まで)、読みました。p.163の真ん中あたりに書かれていることがらは重要です。詩の源泉を探るのはきわめて微妙な問題ですが…

今日は、ユイスマンスのパリ情景集のうち、73番のテクスト「セーヌ河岸の古本屋」に入り、p.290の10行目まで、読みました。最初の段落はきわめて絵画的な描写になっています。用いられている語彙は、演劇の舞台にも関連しています。パリの中心部の風景が、く…

今日は、1937年の国際哲学会における『方法序説』300年記念講演「デカルト」のラスト(p.810の4行目)まで、読みました。最後のところで、ヴァレリーは、現代にデカルトが生きていたら、複雑化し、巨大化した科学をうまく包摂しうるような方法を見つけること…

今日は、まず第7課の練習問題3番の書き取りを、先週のように黒板に書いていただき、じっくり時間をかけて完成しました。そのあと、第8課のディアローグのビデオを見て、重要な表現を解説し、文法事項のうち、特に近接未来、前置詞と定冠詞の縮約(au/du, aux…

今日は、ヴァレリーの詩集『魅惑』の草稿研究として決定的な仕事であるフロランス・ド・リュシーさんの研究書から、「アポロンの巫女」の執筆経過に関する部分をコピーして配付し、特に、残されている草稿の中の最初の段階のものを、読んでみました。決定稿…