今日は、「蛇の素描」の第17詩節の終わり(170行目)まで、読みました。第15詩節には流音のアリテラシオンがたくさん出てきますが、これはイヴの髪の毛やからだの、流れるような様子を描いています。149行目に現れる「nuqueうなじ」という単語はヴァレリーという詩人において特に重要なキーワードです。前期に読んだ「アポロンの巫女」の第198-200行の部分にも出てきたように、「うなじ」は常に最も官能的な部分として浮き彫りにされます。第16詩節と第17詩節は抱擁韻4行×2+平韻2行という点(この詩篇全体の中では変則的な脚韻形式である点)が同じですが、第17詩節の10行は全部男性韻というところが目立ちます。これは、この、括弧にくくられた10行が蛇の傍白であることを示す工夫のひとつと思われます。作詩法上の手の込んだ多様な技巧が次々と披露されます。では、また来週。