今日は、デュラスの『愛人』のテクスト抜粋を読みました。語り手の回想の時間と空間が多層性を成していることを、実際のテクストに当たって確認しました。特に、戦時下の、ひと通りのない、がらんとしたパリの街を背景に思い出される二人の女性の形象の特徴を解説しました。『愛人』のテクストは濃密で、読みごたえがあります。文庫で手軽に読めますので、是非、熟読をおすすめします。次回は、クノーの『文体練習』とボンヌフォワの詩を紹介します。お渡ししてあるプリントの予習をどうぞよろしく。