今日は、モディアノ『ドラ・ブリュデール』を読みました。抑えたドキュメンタリータッチの筆致が極めて哀切な効果を生んでいる傑作です。絶滅収容所に送られたユダヤ人の「抽象的な」歴史の背後に「具体的な」一個の生きた痕跡を辿ろうとする追跡小説というかモディアノ版「失われた時を求めて」でした。次回もモディアノの『八月の日曜日』と、少しマニアックですが、ジャック・レダの文章を読む予定です。あらかじめ、お目通しを、どうぞよろしく。