今日は、フロランス・ド・リュシーさんの研究書から「アポロンの巫女」の源泉をめぐる論述をひと通り(p.162からp.166の下から4行目まで)、読みました。p.163の真ん中あたりに書かれていることがらは重要です。詩の源泉を探るのはきわめて微妙な問題ですが、「作家が語っていることと語っていないことを区別することに加え、直接的な起源を超えて、もっと遠い源泉(それはしばしば明瞭だったり不明瞭だったり、その中間だったりする)を検討する必要もある」とリュシーさんは言っています。8音節詩句の韻律をめぐるルイスとの議論、それがユゴーのある8音節10行詩への愛着と重なり、そのユゴーの詩についての技術的な関心が、さらに、若い頃の自我革命まで遡る実存的なテーマ的関心と重なり、これらの技術的、テーマ的関心を具体的に彩るイメージとして、若い頃に精神病院で見た美しい狂女の思い出が重なっていきます。幾本もの小さな流れが集まるようにして、この詩が成立していく姿は、少し感動的です。来週はまた草稿の変遷に注意を向け、狭義の生成論的な考察に戻ります。p.170までの部分にざっと目を通しておいてくだされば幸いです。