今日は、「アポロンの巫女」の生成研究の続きで、リュシーさんの論文のp.170の下まで、ざっと読んで解説しました。まず脚韻を決めていく詩人ヴァレリーの制作の様子が、草稿を追っていくと、よくわかります。形容詞をひとつ入れたいために他の前置詞を短いものに変えるなど、具体的な詩作上の工夫の跡も見て取れます。また、決定稿最終詩節が実は別のアプローチによる10行詩を元にしていたのではないかというリュシーさんの指摘(p.149)は説得的です。さて、次回は最終回となります。残りの部分を要約して説明する予定です。