今日は、ユイスマンスのパリ情景集のうち、73番のテクスト「セーヌ河岸の古本屋」に入り、p.290の10行目まで、読みました。最初の段落はきわめて絵画的な描写になっています。用いられている語彙は、演劇の舞台にも関連しています。パリの中心部の風景が、くっきりとした筆使いで、明晰に描かれています。こうした描写を背景にして、一気にフォランタン氏に焦点が絞り込まれ、私たちはまた、この、どこかしら懐かしい感じのするオジサンと一緒に、セーヌ河岸の古本屋を覗きながら、ぶらぶら歩きをすることになります。次回は残りを読む予定です。予習をどうぞよろしく。