今日は、ヴァレリーの1925年の短い文章「デカルト断章」を、p.789の14行目まで、読みました。ヴァレリーアドリアン・バイエによる『デカルト氏の生涯』(1691年)をよく読んでいたようです。デカルトの友人メルセンヌ師が暮らし、デカルトのパリの宿でもあったミニム会の修道院がその後憲兵隊の兵舎となり、さらにその後取り壊されて真新しい兵舎になってしまったことを、ヴァレリーは悔やんでいます。文化遺産へのまなざしは現代ではより繊細ですが、そうしたまなざしの欠如にヴァレリーは怒りを覚えています。さて、残りは来週一回で読めそうです。キリが良いので、この授業は次回で最終回といたします。予習をどうぞよろしく。