開講しました!

 本日、開講しました。最初に授業内容、成績評価の方法を説明したのち、さっそく授業に入りました。今回は、「私」の「時間」が濃密に描かれる現代的な文学の始まりとしてジャン=ジャック・ルソーの自伝『告白』と『孤独な散歩者の夢想』から、ヴァラン夫人との思い出を語った有名な部分を、じっくりと読んでみました。「あら、ツルニチニチソウがまだ咲いているわ」という夫人のセリフが30年後のルソーのセリフで「引用」されていることの効果は絶大です。個人の生の時間感覚が「魂の状態」とからめて描かれるテクストの力は、その後の文学テクストのあり方に多大な影響をもたらします。ルソーを皮切りに、しばらく、いわゆるロマン主義の文学について、お話する予定です。では、また来週。