今日は、バンジャマン・コンスタンの『アドルフ』を紹介し、第3章を全部、読んでみました。日本語訳のほか、Gallicaで入手した1816年の初版のテクストも、参考までに紹介しました。小説が始まって間もない第3章で、アドルフのエレノールへの恋愛は精神的にも肉体的にも成就されてしまいます。この小説は全部で10章あります。残りの7章は、ひたすら、二人の「関係」の重さの話になります。全体を支配する憂鬱な気分、不全感、虚無感は、フランス革命後の若い世代の気分を多分に反映しているものと思われます。