今日は第5番「二重の部屋」のテクストを75行目まで読みました。来週は残りの部分を読んでから、このテクストについての具体的な議論の例を紹介してみたいと思います。それにしても、前半のパラダイス的な部屋と後半の地獄のような部屋との対比が際立っていますね。この明暗の落差、理想と現実の落差が実に印象的です。「偶像」が女性名詞として「夢の女王」であったのに対して、「時間」が男性名詞としていわば倦怠の王様として君臨しています。ボードレールの作品にはこうした対比が多く見られます。その点についても来週、少し触れてみたいと思います。