今日は「失われた酒」に関するローラーの注釈を読み進めました。ヴァレリーの「カイエ」を参照した部分までは踏み込まずに、各詩節のコマンテールを丁寧に読みました。ローラーさんは最後のフィギュールを「神々」の到来と取っているようです。このあたりは、かなり自由に、いろいろな読みができるのではないかと思います。いずれにせよ、この詩では、ごく少量のワインと広大な海の対比、海の酔いとフィギュールの出現という奇跡が劇的に描かれていて、忘れがたい一篇です。来週は、次の詩篇「室内」のテクストとローラーの注釈を読みます。その後は、大作「海辺の墓地」に入る予定です。