今日は、ルイ=フェルディナン・セリーヌの自伝的小説『夜の果てへの旅』から、パリ郊外をテーマにお話しました。また、日本語訳では伝わりにくい、原文の持つ味わいを、少しだけ紹介しました。一人語りのもつ、独特のリズムや、親しみやすい俗語の多用、その一方で、強烈な社会批評意識の感じられる鋭い分析的考察などもあって、じつに魅力的な作品です。中公文庫で上下二巻、少し長いですが、わりと一気に面白く読める長編です。来週も、郊外散歩を続けます。