今日は、1896年の『サントール』誌に発表された二篇の詩(「Vue」と「夏」)のうちのひとつ「Vue」を、読みました。マラルメの「小曲」に倣ったのでしょうか、7音節14行(4+4+4+2)の形式を使って、おそらくは海の体験を描いた、これも一服のエクフラシスと思われます。1895年の『レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説』にも出てくる「立っている海」のイメージが、この詩にも出てきます。言葉の意味にしか興味を示そうとしない観念至上主義を批判し、人間の感覚・官能を重視するヴァレリー的な感覚主義がよく感じられる佳品です。来週はマラルメに捧げられた「ヴァルヴァン」を読みます。予習をよろしく。