今日は、「挿話」を、読みました。6行目から10行目にかけて現れる「笛」の吹き手=「宝石の歯をした罪人」とは一体何者か、最初のうちはよくわからなかったのですが、何度か読み返して、イメージを探ると、どうやら、「蛇」(=「ファロス」)のイメージではないか、と思われます。この詩は、pucelleが他者との接触を求め始める直前の劇、欲望の目覚めの直前のドラマ、彼女がアポロン的な昼の理性の世界からディオニュソス的な夜の狂気(愛の狂気)の世界へと移行していく、まさしくあわいの時(=「夕方」)の一瞬の戦慄を描いた、一服のエクフラシス(言葉による絵画)と言えるでしょう。エロスの予感という主題からするとマラルメの『エロディアード』に近いものがあるようにも思います。来週は「眼」と「ヴァルヴァン」を読みます。予習をよろしく。