『ブヴァールとペキュシェ』第6章「政治」の章をめぐる考察

 コンパニョン『文学の第三共和政』の内容を読み取る授業の続きです。今日はp. 257の*の前まで、読みました。第6章の前では二人の好人物は幸せでしたが、第6章のあと幸せではなくなります。ブルジョワ社会の愚劣さに気づく前と後、その中間に来る事件とは何か。「政治」あるいは「歴史」が外部からの事件として無動機的に小説世界のなかに闖入し、それが、その前と後での主人公たちの気分を劇的に変えてしまう、ひとつの大きな深淵というか断層になっている、というお話は迫力があります。次回も続きを丁寧に読んでいきます。