効果理論派から遠く離れて、コローおじさんは平和!

 今日も「コローをめぐって」の続きです。p.1332の真ん中まで、読みました。ヴァレリーによるコローの肖像が、対照法(コントラスト)によって、浮き彫りにされていきます。コローと対極的な位置に置かれているのが、ドラクロワ(音楽家ならばワグナー、詩人ならばボードレール)です。まだ冒頭数頁しか読んでいませんが、印象としては、力学的・生理学的な効果理論の論客ドラクロワのキャラが激しく立っているせいか、コローの存在感が控えめというかむしろ影が薄いほどです。これからどうなっていくのでしょうか。今日は、とにかくテクストを素直に読んでいくことの大切さについて意識を向けてみましたが、それにしてもドラクロワは目立ちます!彼の『日記』全2巻が2009年にジョゼ・コルチ書店から出ています。インデックスが充実していて、調べものをするときに便利です。ルーベンスの項目だけで1頁分ほども参照頁が並んでいて、ドラクロワルーベンスに大いに学んでいたことが察せられます。では、また次回。