今日は、p.164の右側上から4行目まで、読みました。風景画の評価が次第に高まってくることと、流行、つまり現代の好みの変化とが関係しているということ、そこには危険があるということをヴァレリーは述べているようです。コローにおいて重要な「構成」(これはヴァレリーの重視する古典主義的メチエの大きな一要素です)が、現代ではあまり顧みられなくなっていることを、ヴァレリーは表現をさまざまに変えながら強調しています。古典性と現代性のあいだで苦しんだ画家としてドラクロワを置き、古典性のなかで「構成」を貫いた画家としてコローを置くヴァレリーは、この「コローをめぐって」というエッセーのラストで、流行としての風景画は絵画のメチエを堕落させたと捉え、かなりほろ苦い調子で締めくくっているように思われます。だいぶ引っ張ってしまいましたが、次回でこのエッセーは読み終えることができそうです。十分な予習を、なにとぞよろしく。では、また来週。