今日は、ヴァレリーの1919年の文明評論『精神の危機』をめぐって、松浦寿輝さんの1992年の文章「ヴァレリーベル・エポック」をじっくり読みながら、紹介してみました。古典主義的な美学を奉じるヴァレリーは過去を向いていますが、その文体そのものは極めて現代的である点に、ヴァレリーの両義性があり、そうした両義性がベル・エポックという虚構を語るための格好の資格になっているという話は非常に面白いと思いました。来週は、最近、二つの新訳が出た(そのうちの一つには私も参加しております)「レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説」の冒頭部を読む予定です。プリントを配りました。予習をどうぞよろしく。