今日は、p.1255の下から3行目まで、読みました。p.1254の中ほどの、「世界」を思い浮かべるのがますます難しくなっているというくだりは、構文が少し込み入っていましたが、けっして無用な難解さではなく、明晰な表現の要請から必然的に決まった複雑さという印象を持ちます。ヴァレリーには、このような、抽象的でいながら、じつに詩的ともいえる見事な表現が、時折、見られます。このあたりは、現代物理学の最先端の「世界」のことが問題になっているのかもしれません。力に知を従属させる現代科学をひとしきり語ったあと、力(検証/外的実現)重視の知のあり方が支配的な今、哲学はどうなるのかと問われ、文章が続きます。さて、夏休みが近づいてきました。できれば、前期のうちにp.1261の空白部分まで読めればと思います。予習をよろしく。